「国」と一緒に破産しますか? イヤなら学ぼう「個人資産の守り方」

   日本国破産の足音が聞こえる――ギリシャ危機を目の当たりにし、もはや絵空事とは言えなくなった「日本国破産」。その時、個人が資産を守る方法はあるのか。

   『「日本国破産」を生き抜くための資産防衛術』(阪急コミュニケーションズ、1470円)の筆者、津田倫男氏は、個人が資産を防衛する方法は「あると思っている」と結論付ける。その津田氏が具体的に示す「資産防衛術」「勝つ投資の法則」とは。

Read more...

「他人」に期待するのは間違い


『「日本国破産」を生き抜くための資産防衛術』

   津田氏は、フレイムワーク・マネジメント代表で、『老後に本当はいくら必要か』(祥伝社新書)、『60歳からの「熟年起業」』(講談社+α文庫)などの著書がある。都市銀行、外資系投資銀行などに20年勤務し、外資系ベンチャーキャピタル日本代表を経て独立した「金融商品のからくりを熟知する」人物だ。

   本書ではまず、投資や運用に関して「基本的な考え方」を改めるよう呼びかける。――証券会社や投資アドバイザーなどは、仕事なんだから顧客である自分を助けてくれるはずだ――そんな甘い思い込みは「捨てた方がよい」といった指摘が続く。

   つまり、「他人」に期待するのは間違いで、自己責任が重要だというわけだ。「そんなことを言われても、自分には知識がない」という人には、「ならば、学ばれては」と勧める。では、何をどう学べば良いのか。

「手を出すべきではない、ちょっと危ない商品」

   津田氏は、「手を出すべきではない、ちょっと危ない商品」(第5章)や、「個人でできる資産防衛法」(第6章)などで、具体的な例を挙げながら、考え方や行動の仕方を「指南」している。

   ユニークなのは、資産運用の話を分かりやすく解説するばかりではなく、「おカネがなくても大丈夫」という発想も肯定的に紹介している点だ。霞ヶ関官僚らの自己保身に対する「怒り」も描かれており、「自分は、資産防衛とは縁遠い」という読者も楽しめそうだ。

注目情報

PR
追悼