えっ、しめ鯖をジャガイモの上に? 人気!進化するお酢グルメ
「暑さに早くもバテ気味」「食欲がわかない」、そんな人に人気なのが「お酢」だ。健康食材としての効果はご存じのとおり、さっぱりした口当たりもこれからの季節にはうれしい。
最近ではこうしたお酢の力に着目し、メニューに積極的に取り入れ、独創的なメニューを提供する飲食店もある。人気のお酢グルメの最前線を追った。
「栄養」と「味」の両面からお酢に着目
「Bistro GINSAI(ビストロ・ギンサイ)」提供料理 「彩野菜の自家製バルサミコピクルス」(下) 「しめ鯖とインカの目覚めのニース風カナッペ」(左上) 「鮪とピクルスのタルタル(仮)※開発中」(右上)
有機野菜をメニューの中心に位置づける東京・銀座「Bistro GINSAI(ビストロ・ギンサイ)」では「栄養」と「味」の両面からお酢に着目し、「彩野菜の自家製バルサミコピクルス」(680円)を始め、さまざまな形でメニューにお酢を取り入れている。
「すっぱさで味にパンチをつける使い方はもちろん、『インカの目覚めとお江戸穴子の蓮根テリーヌ』(980円)のようにバルサミコ酢を煮詰めて酸味を飛ばし、まろやかさやコクを引き出すという使い方もあります」と語るのは店長の川岡孝さん。
お酢を使った人気メニューの1つが、しめ鯖をジャガイモに乗せた「しめ鯖とインカの目覚めのニース風カナッペ」(1280円)だ。意外な取り合わせに見えるが、「白ワインともよく合う」と好評だという。
オーナーが身体を壊したことをきっかけに、心身の健康を考えた身体に良い料理を提供したいと、独学で食材のことを学んだ川岡さん。「さっぱりとした味だけでなく、疲労回復や食欲増進の効果があるお酢は、これからの季節には欠かせない。お店で提供する新作の夏向けお酢メニューも開発中です」と意気込む。
ビネガーカクテルも注目度上昇中
「Bistro GINSAI(ビストロ・ギンサイ)」店長川岡さん
お酢を使った「ビネガーカクテル」も、最近注目を集めている。銀座の「bar Druggist(バー・ドラゲスト)」では、「ハーブ・ビネガーのフルーツモヒート」(1600円)を始め、30種類以上のレシピを取りそろえる。同店ではトレーニングジムを併設しており、疲労回復効果や体脂肪を減らす効果のあるお酢を使ったドリンクは身体を気遣う人にお勧めという。
同じく銀座の「Marche de Ginza(マルシェ・デ・ギンザ)」では、「シトラスビネガーのソルティドッグ」(780円)など自家製フルーツビネガーを使ったカクテル約30種類を提供している。フルーツと組み合わせてお酢が苦手な人でも飲みやすく仕上げている。酢の食欲増進効果から食前酒にもぴったりだ。
「お店で食べるだけじゃなく、普段の食事にもお酢を取り入れたい」という人向けの料理教室も開催される。表参道の「Cuisine de HARUNO(キュイジーヌ・ドゥ・ハルノ)」が6月9日に実施するもので、お酢を使った一押しレシピを伝授してくれるという。
バリエーション豊かなお酢メニューは、夏に向けてますます注目を集めそうだ。