「ギリシャ危機」語るその前に 改めて知る「今の暮らし」と古代神話
「ギリシャ国民は怠け者」は本当か。巨額の借金で破産寸前なのに、痛みを伴う緊縮政策に「NO」を突き付ける。世界を揺るがす欧州危機の震源地、ギリシャの現在と歴史をおさらいする。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(http//:books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中
ギリシャ人と結婚した日本人女性の見た素顔
『おにぎり オリーブ 赤いバラ あっという間にギリシャ暮らし40年』
『おにぎり オリーブ 赤いバラ あっという間にギリシャ暮らし40年』
白い建物と青いエーゲ海。観光ポスターにみるギリシャのイメージだ。経済危機の暗いニュースとのあまりに大きな落差。本当のところはどうなのか。幻冬舎ルネッサンスから発売の『おにぎり オリーブ 赤いバラ あっという間にギリシャ暮らし40年』(著・ノリコ・エルピーダ・モネンヴァシティ、1365 円)が疑問に答えてくれる。
ひょんなことからギリシャに住むことになった佐賀県出身の女性の半生記。たまたま通訳の仕事で知り合った29歳年上のギリシャ人弁護士から片道切符を送られ、生まれて初めてギリシャに渡り1カ月後に結婚。2人の子どもにも恵まれ、ギリシャ政府公認のガイドとして元気に活躍している。明るく前向きな著者がユーモアを交えて伝えるギリシャとギリシャ国民の魅力とは。
ゾクゾクするほど面白い神々と人間の物語
『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』
『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』
文藝春秋の『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(著・中野京子、1600円)は、『怖い絵』で知られる著者がギリシャ神話の絵画を痛快に読み解く。西洋文化に関する幅広い知識と人間への深い洞察力が随所にきらめく。
ギリシャ神話の絵画鑑賞というと、堅苦しいいイメージがあるが、著者は「高尚な芸術作品を鑑賞する」と身構えたりせず、娯楽として味わってほしいと肩をほぐしてくれる。主神ゼウスや愛欲の女神ヴィーナス、太陽神アポロン、処女神ディアナなどの神々が繰り広げる20編の物語を収録。そこに展開されるのは「ゾクゾクするほど面白い神々と人間のドラマ」。紹介されている名画30点はすべてカラ―。表紙の写真も迫力満点だ。
子どもも楽しめるギリシャ神話の入門書
『ギリシア神話 オリンポスの神々』
『ギリシア神話 オリンポスの神々』
西洋文化の源流ともいわれるギリシャ神話。子どものころに教わったり、読んだりした記憶はあるが、ちゃんとした知識には自信がないという人は多いのではないか。講談社の青い鳥文庫『ギリシア神話 オリンポスの神々』(著・遠藤寛子、絵・小林系、651円)は、そんな大人や初めての子どもたちにも手頃な入門書だ。「オリンポスの神々と、あけてはいけないパンドラの箱、見たものを石にかえるメドウサの首、星座の由来・・・」。古代から現在まで長く語り継がれてきた物語が生き生きと描かれている。
財政危機に直面している現在のギリシャとどのようなかかわりがあるかはともかく、ギリシャという国はこうした神話を持つ国であることを知っておくべきだろう。