オリンパス元社長「日本人はサムライと愚か者」 まだ膿は出ていない!


『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』(山口義正・著)
講談社

   日本を震撼させたオリンパスの粉飾決算事件、発覚のきっかけとなったのは経済誌「FACTA」に掲載された、ジャーナリスト・山口義正さんの追及記事だった。その山口さんが一連の事件の全貌を明らかにした一冊『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』(講談社)が話題を呼んでいる。

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   山口さんの記事で「不正」を知ったマイケル・ウッドフォード社長は、菊川剛会長(いずれも当時)に事の真偽をただすが、結果として解任されてしまう。一方FACTA編集部はタレコミメールを通じ、「天才的なマネーロンダリングマン」の存在に気づく――「推理小説のようなドキドキ感」「下手な小説より面白く、一気に読み切ってしまいました」とAmazonのレビューにもあるように、スクープ記者ならではの筆致は読み応えがある。

   一方で、事件の真相は今なお明らかになったとは言いがたい。この状況に著者は、「これでは日本経済全体が粉飾決算を是認したようなものだ」と断じ、まだ「膿」は出切っていないという。

「サムライと愚か者」

   タイトルにもなったこの言葉は、不正を前に態度が二分される日本人を評して、ウッドフォード氏が著者に語ったものだそうだ。日本人がこの評価を乗り越えられる日は来るか。

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