なぜフランスで一番人気の薬が「向精神剤」?
2012-05-08 12:00:35
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「ワカメちゃん」によるリアルで深いパリ情報
『ワカメちゃんのパリのふつうの生活』
著者は、『サザエさん』の作者長谷川町子さんの姪で、作品中の「ワカメちゃん」のモデルでもある。中学生のとき、長谷川町子さんの取材旅行について行ったフランスに「強く強く引かれ」、結局のちにパリに住むことになったという。
本書は、そのワカメちゃんによる、リアルで深いパリの情報だ。ユーモアたっぷりにテンポよく綴られている文章には、長谷川町子さんと同じDNAを感じずにはいられない。
たとえば「おいしい有名パン店の味が変わった裏事情」や、「中国人経営のニセ日本料理店の見分け方は具のないみそ汁」といった食の情報、子供の集団スリや空き巣の実体験&対処方法、日本女性に幻想をもつフランス人男性との恋愛指南術等々、パリが好きで長く在住する著者だから発信できる、コアな内容が満載だ。
ちなみに著者の伴侶もフランス人だが、日本女性に幻想がない人でホッとしたとのこと。
ほかに、薬消費大国フランスで一番人気の薬が「向精神剤」である理由は? 恋多い国で、離婚をいかにポジティブに乗り切るかを教える「"元妻"専門家」の情報は役に立つか? キレイな身なりのマダムが朝市で割り込んでくるパリで、医院での順番待ちに「モラル」はあったか? などなど、ガイドブックにはない赤裸々なパリの日常が肌で感じ取れる。
パリの「ふつうの生活」がいかに日本とは違う「ふつう」かがわかる。パリに旅した気分になる、本物のパリガイド本だ。