大阪朝鮮高校サッカー部、快進撃の裏にあった感動秘話

   2005年、大阪朝鮮高級学校(以下、大阪朝鮮)は2005年11月12日、第84回全国高校サッカー選手権大阪大会決勝で清風高校に1対0で勝利し、5年ぶり2度目の全国大会への出場を決めた。この後、行われた全国高校サッカー選手権大会で大阪朝鮮は初めて準々決勝に進出するが、野洲(滋賀)にPK戦で敗退する。

   この快進撃を演じた主将アン・テソンを中心としたイレブンの知られざる物語を伝える新刊本『チョーコーイレブン 大阪朝鮮高校サッカー部の奇跡』(著・本田久朔)が2012年2月29日、文芸社から発売された。

 
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家族の死を超えて…


『チョーコーイレブン 大阪朝鮮高校サッカー部の奇跡』

   大阪・豊中市出身の著者が、在日朝鮮人の知人と地元のネットーワークを駆使してこん身の取材を敢行。イレブンが人として選手としてたくましく成長していく様子を実話で綴っている。

   主将アン・テソンの弟アン・テヨンは急性骨髄性白血病を患い、発病から約1年たった2005年5月に他界した。大阪朝鮮が2度目の全国大会で大活躍する半年前のことだった。アン・テソンは弟に骨髄を提供するため、長期間練習を休んだが、提供された骨髄が弟の体になじまず、わずか13歳で帰らぬ人に。チームメートにはアン・テヨンと仲のいい友人もいた。チームは「テヨンのためにも」と団結し、「狭間の学年」といわれながらも準決勝(ベスト4)だけが踏める国立競技場の地を目指す。

   祖国の混乱、国内差別、そして家族の死を超えて成長していくサッカー少年たちの感動の青春小説だ。

   単行本(ソフトカバー)、315ページ。定価1470円。

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