【LA発】何でもイベントにする学校行事 「くま当番」は子ども達が夢中
すっかりコラム執筆から遠ざかってしまいました。まだ娘の通う小学校の行事のペースに慣れません。やはり一年はかかるのでしょうか?
今年の学校出席日は180日?
子どもたちにとって「Buddy Bear」は妹や弟なのかな
「Buddy Bear」です。かわいいでしょう
早いもので長女も小学校に通い始めて100日になりました。だれが数えているのかと思うのですが、なんと「学校に通い始めて100日だよ!」プロジェクトが学校からの宿題としてでたのです。学校からもらってくるお便りに数週間前から「2月3日に100日になるから100日プロジェクトの宿題がでます。締め切りは2月3日です」としっかり告知されていました。ちなみに娘が通う学区は今年の学校出席日は180日だそうです。ええっ、少なくありませんか?
つい先日は学校区から、「大赤字のカリフォルニア州においてブラウン州知事が増税政策をとろうとしている。もしそれが通らなければ学校への予算も減り、学校教育にも多大な影響を与える」というメールがきていました。ただでさえ以前より学校への出席時間が減っているというのに、益々減るとなると対策を講じなければ学力低下となりそうです。
さて学校というとどちらかというと堅いイメージがある自分にとっては、こちらの学校での出来事はカルチャーショックの連続です。なかでも「ええ、こんなかわいいことが学校の宿題なの?」とおもったことのひとつがくま当番。
くま当番のくま、それは英語で"Buddy Bear"というのですが、娘の学校では一年生のときにクラス毎に、ぬいぐるみのくまの当番を一週間単位で受け持ちます。娘のクラスではその順番はくじで決めるそうですが、当番が決まると、"Buddy Bear"を家に持ち帰り、一週間"Buddy Bear"と過ごすのです。
この一週間、どこにいくにも"Buddy Bear"を連れて行きます。病院、友だちとの公園遊び、習い事等々そしてあちこちで写真を撮って記録します。3週間の秋休みなどに当番になると、旅行に一緒に連れて行くこともできるのです。
こうして"Buddy Bear"とともに過ごした一週間を"Buddy Bear"とともに渡されるスクラップブックに写真などを貼って完成させます。子どもたちはくま当番をしたくてたまらないらしく、娘は当番が決まった日、「"Buddy Bear"の当番になったよ!」と大喜びで駆けてきました。
一年生以外では「亀」の面倒も
さてこの"Buddy Bear"の目的を先生に聞いてみたところ、子供たちが自分たちのクラスにおいて自分自身が特別な存在であると感じられるように考えられたものだそう。そして"Buddy Bear"の面倒をみるという責任を果たしながら、それを記録し、一週間がおわった後に、できあがった日記を皆の前で発表することでまたクラスメイトと楽しさを共有させるという目的があるとか。
娘の学校では毎週シェアリング(sharing)と呼ばれる課題があります。それは毎週与えられるテーマに沿って写真や絵を使い、毎朝発表をするのです。自分の発表の曜日は前もって決められていて、そのテーマは自分の宝物のことだったり、長期休み中の思い出話だったり…。ときには与えられた詩を暗唱するときもあります。
またどうして一年生にしか"Buddy Bear"はないのかというと、他の学年になるとクラスのペットとして亀などの面倒を見るなど別のものがある。"Buddy Bear"は一年生の先生たちによって考えられた特別のものだそうです。
娘の担任は以前コロラド州の小学校に勤務していたのですが、そこでも"Buddy Bear"はいたのかと聞いたら、「なかった」とのこと。アーバインの特別なもののよう。ちなみに学校毎に世話をするぬいぐるみはサイズも形も違います。娘のクラスの"Buddy Bear"は持ち運びしやすいくまなのですが、友人の娘さんが通う学校は両手で抱きかかえなければ運べないほどの大きな"Buddy Bear"でした。
こんなかわいらしい当番なら私もしたかったかも?
野村香奈