ヒキガエルが救世主?若者たち提言の新たな社会モデルとは

   野村総合研究所(NRI)主催の「NRI学生小論文コンテスト2011」の表彰式が2011年11月23日、ラフォーレ東京(東京・品川区)で開催された。

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池上彰、最相葉月ら審査


大学生部門大賞の波利摩星也さんと、高校生部門大賞の伊藤愛里咲さん

   次世代を担う若者たちに、より中長期的な視点で日本の将来について考えてもらうため、大学生・留学生・高校生を対象に2006年から毎年開催されているもので、2011年のテーマは「2015年、新しい"日本型"社会の提案」(高校生は「2025年の日本を担うわたしの夢」)。過去最多の1000を超える応募から、ジャーナリストの池上彰さん、ノンフィクションライターの最相葉月さんら9人の審査員が各部門の入賞者を選定した。

   高校生部門で大賞を受賞したのは、宮城県仙台第三高等学校の伊藤愛里咲(いとうありさ)さん。小学生のときから研究を続けている「ヒキガエル」の生態と特性が、被災地の放射能汚染された土壌の除染と植生の回復に生かせるのでは、と提案した。論文の内容に加え、将来は生物学者になって動植物と自然との関わりを研究し、温暖化や自然変動対策にも貢献したい、という目的意識の強さも評価された。

「農業の副産物生かしインフラ整備を」

   大学生部門の大賞は、東京理科大学大学院修士1年の波利摩星也(はりませいや)さん。震災によって、東北地方を中心に新たな社会モデルが求められている、という問題意識から「もったいない」をキーワードとした循環型地域社会システムを提案した。

   農業の副産物からメタンガスと水素のエネルギーを抽出し、それを燃料電池自動車や鉄道などの交通インフラ整備に活用するというもので、大賞受賞に「これまで考えてきたアイデアが評価されたことで、自分の考えが決して間違っていなかったという自信につながった」と話す。高校生部門の伊藤さんともども、次世代を担う若者として自分の考えや行動が人々を動かし、やがて社会を変えられるという信念を感じさせた。

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