明治と仏パスツール研究所が共同研究 「明治ブルガリアヨーグルトLB81」使用し健康長寿効果などを解明
明治(東京・江東区)とフランスのパスツール研究所(本部・パリ15区、アリス・ドートリ所長)は、日本国内で好調な売れ行きを見せる「明治ブルガリアヨーグルトLB81」を用い、アンチエイジング効果(健康長寿)について、2年間の共同研究を行うことで合意。現地時間の2011年11月17日にパリのパスツール研究所で調印式を行った。研究テーマは「加齢に伴う腸内細菌叢および腸管免疫システムの変化と発酵乳摂取による改善」で、同研究所が日本企業のみとの間でこうした本格的で大規模な共同研究を実施するのは初めてのことだ。
パスツール研究所、産業界と国際的な協力関係拡大へ
調印式でカメラに収まる明治・馬場良雄取締役常務執行役員(右から3人目)、その左がアリス・ドートリ所長
近年の研究で、「腸管免疫システム」が老化に大きく関わっていることが明らかになっている。「腸管免疫システム」の恒常性の維持には腸内細菌叢が深く関係しているため、腸内細菌叢のバランス維持に役立つ乳酸菌(ヨーグルト)の働きが注目され、世界各国で精力的な研究が進行中だ。「明治ブルガリアヨーグルトLB81」については、すでにマウス実験において大腸の機能維持効果が認められているとともに寿命延長効果も期待されており、今回の共同研究では、明治側から「明治ブルガリアヨーグルトLB81」を投与した動物実験のデータ、検体などをパスツール研究所側に提供。同研究所では、トップクラスの研究者が、最先端の機器を駆使して分析、「明治ブルガリアヨーグルトLB81」の腸管免疫システムの恒常性維持への効果、その作用点やメカニズムの解明に取り組む。
「今回の株式会社明治との契約は、大企業との関係構築、そしてパートナーシップに基づく新たな価値創造のあり方という点で、パスツール研究所の海外戦略を強化するものです。また、この契約は、パスツール研究所と産業界との国際的な協力関係の拡大を意味するものであり、日本との関係拡大を意味するものであり、産学協同の動きが拡大していること、特に日本との間で拡大していることを示すものであります」
調印式に出席したパスツール研究所のドートリ所長は、スピーチの中でこのように述べた。
馬場取締役「2年後には素晴らしい成果を」
明治は、同プロジェクトの国際的な産学連携により「明治ブルガリアヨーグルトLB81」のブランド力および明治の企業力をさらに高めたいと考えており、ヨーグルトのアンチエイジング効果が科学的に解明されることが、今後の市場拡大の原動力になると確信している。パスツール研究所を今回のパートナーに選んだのは、同研究所が生物学・医学研究をリードしてきた世界屈指の研究機関であり、近年ではB型ワクチンの開発やHIVの単離などをはじめとする微生物・感染症・ワクチンなどの基礎および応用研究においても目覚ましい業績を上げているからに他ならない。
また同時に、同研究所の研究者には過去10人のノーベル賞受賞者がおり、その中でも、免疫学の権威だったメチニコフ博士(故人)は、1907年に発表した「不老長寿論」において、人間の老化防止には乳酸菌(ブルガリア菌)が有効であると唱え、自らブルガリアヨーグルトによる食事療法を実践していたことも主たる理由の一つに挙げられよう。
また、調印式に臨んだ明治の馬場良雄・取締役常務執行役員は、
「LB81乳酸菌は、ヨーグルトに使われている乳酸菌の中でも特に日本人がなじんできたものであり、LB81乳酸菌の健康長寿効果を解明し、ぜひそのメカニズムを応用した製品をつくって日本の消費者に届け、元気で長生きしてもらわなければならないと考えています」とした上で、「2年後には、今日の契約調印式を見守っていただいた、パスツール博士(胸像)、メチニコフ博士(肖像画)の前で、素晴らしい成果をご報告できることを信じて疑いません」と力強く語った。
なお、明治は今回、イリア・メチニコフ博士の画像・資料(同研究所が保有)の使用などに関するコミュニケーション契約も締結している。