AGF、環境にやさしい「フレンドリーボトル」を2012年2月から導入
味の素ゼネラルフーヅ(AGF)は「ブレンディ」ボトルコーヒーの主力商品全てに、「PETボトル to PETボトルリサイクル方式」を採用した環境配慮型ペットボトル「フレンドリーボトル」を2012年2月から順次導入すると発表した。
石油資源60%、エネルギー20%削減
フレンドリーボトルを採用した「ブレンディ」を報道陣に紹介する村林誠社長
AGFが導入する「PETボトル to PETボトルリサイクル方式」は東洋製罐のリサイクル技術を用い、使用済みペットボトルを一度分子レベルにまで分解、それをPET樹脂に加工し、再びペットボトルに戻す――つまり「ペットボトルからペットボトルを作る」というものだ。これにより原料としての石油資源を約60%、LCI(※)によるとエネルギー負荷は約20%削減することができる。
再生効率は75~85%と高く、一度作ったペットボトルから理論上「半永久的に」ペットボトルを生み出せる「資源循環型リサイクル」。分子レベルまで分解することから衛生面の心配もない。
主にコストの問題から、日本では多くのペットボトルは品質の下がる「卵パック」や「綿」などに再利用されてきた。しかし村林誠社長は2011年11月21日の記者会見で、
「同じ品質のものに戻すことが、資源としては最も有効に活用できる。ボトルコーヒーNo.1メーカーとして、ペットボトルを資源としてより多く循環させる仕組みが必要と考えた」
と企業としての責任感から、今回の導入に踏み切ったと語った。
震災を受け導入を1年前倒し
2011年11月21日、都内で記者会見を行う村林誠社長。表示されているのはフレンドリーボトルのロゴマーク
元々「フレンドリーボトル」導入は2013年を予定していたが、東日本大震災後の消費者の環境保護、社会貢献意識の高まりを受け、2012年2月へと前倒しした。2012年12月までに、「ブレンディ」各種2億5000万本のすべてを「フレンドリーボトル」に入れ替える。
東京大学工学系研究科の平尾雅彦教授は、「日本はペットボトルの消費が多く、こうした技術を利用することは大切。リサイクルされた製品をメーカー、消費者がともに積極的に使うことで、リサイクルの輪ができる」とコメントを寄せ、AGFの取り組みに期待を示した。
(※)製品の製造、消費、廃棄の各段階における環境負荷を定量的に把握、整理して表示する手法