補助金モードから脱却せよ! 「崩壊」阻止へ農業再興ノウハウ


『りんご一つにあと20円多く払えば、東北の農業は復興できる』

   講談社は、『りんご一つにあと20円多く払えば、東北の農業は復興できる』(著・鈴木誠)を、2011年7月15日に発売した。

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   震災で東北のかなりの農家が大きな打撃を受けたが、農業ベンチャー「ナチュラルアート」を経営する著者の鈴木氏は「震災を農業再興の契機にできる」と主張。そもそも、今の農業業界をこのまま放置すれば、99%が崩壊してしまうため、ドラスティックな再編成が必要だと説く。そこに確かな説得力をもたらすのは、自社の農業法人ネットワークを、わずか8年ほどの間に40件から1000件を超す規模にまで急成長させた自信とノウハウが存在するためだろう。

   本書では、具体的復興策を詳細に解説するとともに、迫り来る「TPP(環太平洋連携協定)」の影響と対策にも言及する。「補助金モードから脱却し、ゼロベースからの出発」を覚悟すること、また、短期的な起爆剤と長期的な復興策を同時に実施していくことの必要性を語るところが一つのポイントだろうか。さらには、「産業構造」および「技術面」双方における改革についても、具体的かつ実現性の高い提案をしている。

   単行本(ソフトカバー)、224ページ。定価1470円。

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