「本当の被ばく量知りたい」福島・飯舘に新型測定器設置

   アルファ通信(東京・中野区)は、放射線量を常時測定・表示する「安心生活」を開発、2011年5月28日から福島県福島市と飯舘村にそれぞれ1基を設置した。

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放射線量を常時測定、ディスプレーで表示


飯舘村役場前に設置された「安心生活」。周囲には人だかりが出来ているという(アルファ通信提供)

   「安心生活」はステンレス製で高さ約1.8メートル。地上50センチの部分に米・RSSIの認可を受けた高精度の放射線量計測器が取り付けられており、その測定値は10秒ごとに前面の大型ディスプレーに表示。線量が規制値を上回るとサイレンで警告する機能も備えている。

   原発周辺の住民らには、公的機関が発表する放射線量の数値、特に健康被害に直結する累積放射線量に対し「実際の被ばく量より低いのではないか」という不安があった。それを解消するため、「安心生活」では放射線量を24時間常に記録・蓄積し、累積放射線量の実測値を明らかにする。データはUSBメモリーに保存され、パソコンで容易に分析も可能。計測器の設置位置が低いのも、放射線の影響を受けやすい子どもの被ばく量を知るためだ。

飯舘村では1時間当たり約9マイクロシーベルト計測


「安心生活」の特徴を解説する豊田社長。30日都内で

   30日、都内で行われた「安心生活」開発記者発表では29日の福島市、飯舘村における測定結果が公表されたが、それぞれ1時間当たり約2マイクロシーベルト、約9マイクロシーベルトと、公的機関の測定値を大きく上回っていた。

   豊田勝則社長は「自分たちの本当の被ばく量を知りたいんです」という人々の言葉に突き動かされ、1か月半で一気に開発したと熱っぽく語り、「住民の皆さんに不安を与えるために作ったのではない。自分たちで納得、判断して行動してもらうためのツールです」と強調した。

   福島市と飯舘村に加え、6月初旬には南相馬市、伊達市にも「安心生活」を設置する予定で、これら4自治体への製品提供は「モニター設置」として無償での提供となる。すでに他にも多数の自治体から問い合わせを受けているといい、アルファ通信では、役所や学校、通学路などへの設置も視野に入れるようだ。

   販売価格は198万円、レンタルは月額7万8000円。

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