残されたのは膨大な文と絵だけ ヘンリー・ダーガーの謎に迫る企画展


「キラキラ輝くブレンゲン。ボイ・キング・アイランズ。一匹は年若いタスカホリアン、もう一匹は人の頭をしたドロテリアン」 Collection of Kiyoko Lerner (C)Kiyoko Lerner,2011

   ファッションビル・ラフォーレ原宿(東京・渋谷区)内のラフォーレミュージアム原宿では、2011年4月23日から大型企画展「ヘンリー・ダーガー展~アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が導く『非現実の王国で』」を開催している。期間は5月15日まで。

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   アウトサイダー・アーティストとして有名なヘンリー・ダーガー。彼は、24歳から60年もの間、誰にも知られることなく、発表することもなくひたすら私的小説「非現実の王国で」というタイプ原稿1万5000ページと数100枚におよぶ挿絵を残した。ストーリーは、7人の美少女姉妹「ヴィヴィアン・ガールズ」が子供を奴隷にして虐待する非道な男たちを相手に壮絶な戦いを繰り広げるというもので、独特な色彩とタッチ、オリジナリティーにあふれた挿絵とともに綴られている。その人生と創作作品の全容は未だ解明されぬままで、20世紀アメリカ芸術における最大の謎とも言われている。

   同企画展では、最新の研究成果をもとに彼自身の実人生と「非現実の王国で」の虚実に迫る。会場は5つのセクションに分かれていて、幼少期にフォーカスした「Early Days」、彼が興味を抱いていた人物を紹介する「Archeology of Henry Darger's Room」、小説の挿絵64点を展示する「Welcome to the Realms of the Unreal」、そして自叙伝と日本初公開となる遺品6点を紹介する「History of My Life」、著名人による「Hommage」で構成した。

   入場時間は11時から20時までで、最終日は18時まで。入場料は一般が800円、学生は600円で小学生以下とラフォーレカード会員は無料となる。

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