阪神・城島健司、2010年度「ジョージア魂」賞年間大賞 広島・天谷は選考委員特別賞
プロ野球シーズン中、チームの勝利に貢献した素晴らしいプレーに贈られる「ジョージア魂」賞受賞12プレーの中から選ばれた2010年度「ジョージア魂」賞年間大賞の表彰式が2010年12月3日、都内で行われ、阪神タイガース・城島健司選手のサヨナラ本塁打が年間大賞を受賞した。選考委員特別賞は、広島東洋カープ・天谷宗一郎選手が受賞した。
魅せた!天谷宗一郎選手の「マトリックス」キャッチ
「ジョージア魂」賞の年間大賞授賞式の様子(左から、柳本元晴氏、伊東勤氏、高木豊氏、篠原幸治日本コカ・コーラ副社長、天谷宗一郎選手、山田久志氏、桑田真澄氏、二宮清純氏)
「ジョージア魂」賞は、「すべてはチームの勝利のために。そんな選手に捧げる勲章。熱い魂のプレーを選ぶのはあなただ」との考え方のもと、NPB公式賞に準ずる賞の中で唯一のファン参加型アワードで、「試合の流れを変えた見事なファインプレー」、「チームに喝(かつ)をいれた、ガッツあふれるスライディング」など、チーム勝利に貢献した素晴らしいプレーをたたえるものだ。
シーズン中、2週間に一度(計12回)それぞれの期間中にあった好プレーの中から、6人の選考委員(プロ野球OB・山田久志氏、高木豊氏、伊東勤氏、桑田真澄氏、スポーツジャーナリスト・二宮清純氏、ベースボールマガジン社・柳本元晴氏)が6つのノミネートプレーを選出。その中から毎回、ファン投票により最多投票を得たプレーを「ジョージア魂賞」として表彰してきた。
今回、受賞した全12プレーの中から、ファン投票で決まった2010年度「ジョージア魂」賞年間大賞は、2010年3月27日の阪神―横浜戦、城島選手が延長11回裏に放ったサヨナラホームランだ。ヘッドスライディングでホームに飛び込んだパフォーマンスは、今シーズンからの日本球界復帰を完ぺきに印象づけた。ケガのため授賞式に来場できなかった城島選手はVTR出演し、このプレーについて「(新チーム加入したばかりで)正直、不安だったのでほっとした。ファンの声援もあり、これで阪神の一員になれたんだなと思いました」とコメント。来シーズンへの抱負としては、「地味で目立たなくても、チームの勝利に貢献できるプレーをしたい」と意欲を示した。
一方、選考委員特別賞は、2010年8月22日の広島―横浜戦、横浜・ハーパー選手が放ったホームラン性の当たりをフェンスによじ登りスーパーキャッチした天谷選手のプレーで、プロにしかできない技術の高さを見せつけた。天谷選手は「キャッチした直後はピンとこなかったが、あらためてすごいことをしたと実感している。今季は記憶に残るプレーができたが、来季は記録にも残るようなプレーをしたい」と、静かな語り口の陰に闘志を忍ばせた。ちなみに周囲からはこのキャッチ、「マトリックスみたいだ」と言われているそうだ。
「ジョージア魂」賞は、2010年3月、日本コカ・コーラが日本野球機構の「NPBパートナー」として、プロ野球12球団と提携し「ジョージア ベースボール プロジェクト」を立ち上げ、その柱となる賞として創設。この日、授賞式であいさつした篠原幸治日本コカ・コーラ副社長は、「12あるプレーの中から1つを選ぶのは大変難しかったと思うが、その中で最も元気をもらえた好プレーが選出された。(また来年度も)プロ野球を盛り上げていきたい」と抱負を述べた。また、加藤良三日本プロ野球組織コミッショナーは「ファン参加型の賞を設けていただいたことに厚く感謝。できることならずっと末永く、表彰を続けてほしい」と来シーズン以降の実施にも期待を寄せている。