捜査一課最後のデカ「落としの金七」を知っているか?
2010-05-06 08:27:45
デカ魂が詰まった一冊
産経新聞出版は、1人の名刑事の捜査人生を描いたノンフィクション作品「警視庁取調官 落としの金七事件簿」(著・小野義雄)を2010年4月30日に発売した。07年に単行本として刊行されたが、装いも新たに普及版として再登場する。
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主人公は「落としの金七」の異名を持つ、警視庁捜査一課の特別対策管理官・小山金七氏。同氏は2000年3月にガンで亡くなったが、同書では、名刑事が携わった数々の事件を通して、捜査と取り調べの手法を紹介するとともに、今の警察に足りないもの、さらに金七氏が遺した熱い捜査魂を蘇らせている。
携わった事件は、ロス疑惑をはじめ、坂本弁護士一家殺人事件(1989年)、目白署警察官殺人事件(1984年)、トリカブト毒殺事件(1986年)、地下鉄サリン事件など、世間を震撼させたものが多数ある。36年5か月に及ぶ警察人生で培われた「落としの術」は比類なきもので、小山氏の人間的な魅力をも知り尽くした元産経新聞記者・小野氏が臨場感たっぷりな筆致で紹介している。
金七氏を主人公にしたスペシャルドラマが10年5月29日にテレビ朝日系列で放送される。怒鳴らない、威嚇しない、怒るときは目で怒るという金七氏の取り調べのようすを再現するのは柳葉敏郎さん、妻のしげ子さんは岸本加世子さんが演じる。
新書サイズ、355ページ。定価1000円。