還暦夫婦が深める家族の絆 「アニバーサリーウエディング」in OKINAWA


セレモニーは、エメラルド色の海を望むチャペルで行われた

   家族と一緒に非日常を楽しみながら結婚式を挙げる「リゾート婚」の中でも、人気スポットとして注目されているのが沖縄だ。そんな南国の地で、長年連れ添った夫婦が式を挙げる「沖縄アニバーサリーウエディング」の取り組みが注目を集めている。そんな中、山梨在住のある夫婦が33回目の結婚記念日に同地で「挙式」。モノウォッチではその様子を密着取材してきた。

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   観光リゾート地である沖縄は、(1)妊婦や赤ちゃん、高齢者にとっても国内だから安心して行ける(2)空の便も充実していてゲストを招待しやすい(3)国内でありながらロケーションは海外リゾート並み、といった点で、高い人気を誇っている。

   県観光振興課の調べによると、08年に県内で行われたリゾート婚の挙式組数は、前年比23.6%(1716組増)の9001組。99年には200組で、10年弱で45倍に急成長している。そんな中、話題を集めているのが、長年連れ添った夫婦が改めて式を挙げる「アニバーサリーウエディング」だ。都道府県としてアニバーサリーウエディングに取り組むのは沖縄県が初めてで、2010年2月10日から3泊4日の日程による体験ツアーが行われた。

   沖縄を訪れたのは、山梨県在住の湯川安春さん(59)と実紀さん(60)夫妻と、長女の知美さん(32)ほか家族らを合わせた総勢7人。湯川さん夫妻は、結婚以来、1泊2日の家族旅行に出かける程度で、飛行機に乗ったことがない。

   そこで、「沖縄ファン」でもある知美さんが、両親に「沖縄の良さを知って欲しい」と応募した。

   結婚記念日にあたる2月11日には、恩納村内のチャペルでセレモニーが行われ、安春さんと実紀さんは、牧師の前で「これからも、よろしくお願いします」と、33年にわたる結婚生活の労をお互いにねぎらった。


家族もフラワーシャワーで33回目の結婚記念日を祝福した

   純白のウエディングドレスに身をつつんだ実紀さんを前に、安春さんは

「感激しました。見とれてしまいました」
「33年一緒に苦労して、(実紀さんを)大事にしないといけないと、しみじみ感じました」

と笑顔を見せれば、実紀さんも

「33年前の結婚式の様子を、昨日のことのように思い出しました」

と感慨深げだった。

   観光資源が豊富な沖縄県だけに、「沖縄アニバーサリーウエディング」を実施する中で「挙式前後の観光」は外せない。今回、湯川さん一家も、(財)沖縄観光コンベンションビューローが認定する「ちゅら島沖縄観光タクシー」乗務員の案内で、沖縄美ら海水族館(本部町)や首里城公園(那覇市)、国際通り(同)などを2日間にわたって満喫した。

   「クース」と呼ばれる泡盛の古酒を鍾乳洞に貯蔵していることで知られる金武(きん)酒造(国頭郡金武町)では、熟成させるための新酒「龍(たつ)」を購入。結婚33周年の記念として、また、再訪した際の楽しみにしたいとの思いで、一升瓶を鍾乳洞におさめた。

   安春さんは、年代ごとの泡盛を試飲しながら、

   「3年ものは新酒とくらべて、ちょっとまろやか。5年ものは、全然違いますねー」と、貯蔵したばかりのお酒の熟成を楽しみにしている様子だった。

「両親に沖縄の良さを伝えたいと思っていた」 

   そう話す知美さんは、年内にも沖縄県在住の男性のもとに嫁ぐ予定だという。両親は

「これまで、みんなで家族として行動することがあまりなかった」

と話していただけに、今回の旅行で家族の絆が深まったことは間違いない。

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