カプセルホテルで浸る「上質」 大阪で話題「ファーストキャビン」

   飛行機のファーストクラスをイメージした部屋を有する「コンパクトホテル」が人気を集めている。2009年4月、大阪で開業した「ファーストキャビン御堂筋難波」だ。週末や祝前日には満室になる日も多いそうで、2010年3月19日には2号店「ファーストキャビン京都烏丸」をオープンする。

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カプセルホテルの4倍近い「滞在空間」


「ファーストクラスキャビン」の1室

   従来のカプセルホテルと一線を画しているのは、その広さだ。「ファーストクラスキャビン」は床面積4.2平方メートルで、通常カプセルの4倍近い体積を有する。ベッドもセミダブルサイズに近く、天井も立ち上がれるほど高い。さらに、各部屋には有線LANと32インチの大型液晶テレビが付属している。それでいて、宿泊通常料金は4800円。カプセルとビジネスホテルの間ぐらいの価格設定だ。

   宿泊の際は、フロントでチェックインし、男女別に分けられた入り口ゲートから入館する。旅館業法上は「簡易宿所」にあたるため、各キャビンの出入り口には施錠ができない。そのため、廊下とはアコーディオンカーテンで仕切られているのみだが、フロントにクローク機能やキャビン内に施錠可能な引き出しを備え、さらに「会員制」を敷くことで、セキュリティーを確保している。もちろん、大浴場やシャワールームもついている。

安価な「ビジネスクラスキャビン」も


入口ゲートは男女別になっている(御堂筋難波店)

   こうした配慮が受けたのか、女性の利用も多いそうだ。当初、女性用キャビンは「12室」だったが、夏頃には倍以上の「26室」に増やしたのだとか。新しくオープンする「京都烏丸」に女性用は全部で「44室」(男性用:77室)。「御堂筋難波」と同じ「ファーストクラスキャビン」(通常5500円)のほか、床面積が2.5平方メートルで通常料金が安い「ビジネスクラスキャビン」(通常4500円)も備え、多様なニーズにこたえる構えだ。

「現在、会員数は1年足らずで1万6000人ほど。関西近県のお客様が半分、関東からが半分といったイメージです。ターゲットはビジネスマンを見込んでいましたが、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)が近いからか、レジャー目的で宿泊される方も多いですよ」

と広報担当の鈴木芽衣子さん。中には別々に宿泊するカップルの姿もあるそうだ。今後、10年度中には東京、名古屋など主要都市に6店舗の開業を予定しているという。デフレ時代の「コンパクトな上質」は競争に打ち勝つことができるだろうか。

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