美少女たちがセクシーに戦う 萌え系ミリタリー本が大人気
筋骨隆々としたオトコが中心で、ちょっとむさ苦しい――。そんなイメージが広く浸透している「ミリタリー」(軍事)分野で、異変が起こっているという。美少女系の「萌えキャラ」がミリタリー界にまで勢力を拡大しているというのだ。
注目を集めているのは、「萌えよ!」シリーズを刊行しているイカロス出版。同社は航空機や鉄道、船舶など乗り物系の雑誌をはじめ、軍事マニア向け雑誌など専門的な雑誌を数多く手がけている硬派な出版社なのだが…。
萌えが入ると売り上げが3~5倍
萌え系ミリタリー発祥の「萌えよ!戦車学校」
そのイカロス出版が2005年7月に発売した書籍「萌えよ!戦車学校」が、ミリタリー界の萌えキャラブームに火をつけた。本の中で扱うのは各国の戦車紹介や、戦車のメカニズム解説、実際の戦闘における戦術などの「まじめ」な内容。だが、二次元の美少女キャラが登場することが他のミリタリー本と決定的に違う。一見、「キワモノ」のように思われるが、amazonで売り上げランキング1位を獲得するなど大人気で、初版は発売3日で完売した。
同社の浅井太輔さんは、「萌えよ!戦車学校」誕生の背景について
「若年層の軍事ファン予備軍はマンガやアニメ、ゲームなどが好きな方が多いので、かわいい女の子のイラストを挿絵にすれば、入門者の目につくと考えた」
と語る。
実際に、ミリタリー分野に興味を持っていた人が入門書として手に取ることが多いそうだ。
ちなみに、「萌えよ!戦車学校」は、全体の7~8割を文章や兵器の写真など硬い内容が占めていた。それが、続編の「萌えよ!戦車学校II型」以降は、読者の要望に応えた結果、萌えキャラがほとんどのコンテンツに登場するようになり、セクシーなカットも多くなっている。さらに、ミニスカ姿の美少女が旧日本陸軍を解説する「乙女だらけの帝國陸軍入門」など、ミリタリー本というには厳しい姉妹本も続々と登場している。06年には年4回発行の季刊誌「MC☆あくしず」も創刊した。
気になる売れ行きは、萌え系の要素が入ると販売部数が「3~5倍に増える」(浅井さん)とのことだ。
保利ケンスケ