東芝が「LED元年宣言」 新照明で「あかり」の多様化を推進
人と地球環境にやさしい、新たな「あかり」として注目されるLED照明。2009年9月30日、東芝は今年が、LED照明が「あかり」の主役として普及させるべき、新しい幕開けとして「LED元年」を宣言した。新照明システム事業を新たな注力事業のひとつに位置付けて強化し、10月16日から「E-CORE」(イー・コア)LEDシリーズの新商品として「一般電球形8.7W」(2機種)や調光に対応した「一般電球形7.1W/4.5W」、ユニットタイプの「フラット形6.4W」を順次投入。東芝の室町正志副社長は「技術革新に努め、照明の多様化に対応できるLED製品を提供していきたい」と力を込めた。
売り上げ2015年度に3500億円目標
さまざまな照明シーンでLED電球が使われる
白熱電球からLED電球への置き換えは、ユーザーの省エネ志向や環境意識の向上もあって年々増加している。そうした中で、東芝は08年5月にいち早く、2010年をめどに一般白熱電球の製造中止を発表。LED製品への切り替えを進めた。同社は現在2%程度にとどまっているLED電球の置き換えが、12年度には21%になると予測する。
新照明システム事業の売り上げは、09年度で約200億円を想定。「省エネ№1」の業界最高レベルの総合効率と、さまざまな照明シーンに合わせた充実したラインアップの提供で、2015年度には売り上げ3500億円の達成をめざす。海外にも展開。目標は売り上げ比率30%以上だ。
東芝ライテックの恒川真一社長は「新商品の研究・開発コストを中心に、2015年までに累計約1000億円の経営資源を投入していく」という。
LED電球は、小電力、長寿命に加えて、すぐに明るくなりことや熱が出ないこと、低UV、水銀や鉛などの有害物質を使っていないといったメリットがある。CO2排出量では、一般白熱電球と比べて約84%を削減できる。市場全体のLED照明の導入効果をみると、LED化による国内CO2排出量の年間削減効果は、2005年の5285万トンに対して2020年は2555万トンで、約52%削減が可能になるとみている。
09年度には828機種をラインナップ
新たに発売する「一般電球形8.7W」は、多数のLEDチップを効率よく配置することで一般電球形では業界最高の明るさと効率を両立した、新開発のLEDモジュールを搭載。また、LEDモジュールからの熱を効率よく放熱する技術や、回路を小型化する技術によって、東芝のこだわりでもある、根元がスッキリした電球フォルムを実現。照明器具の適合性を高めた。
一般白熱電球と比べて約40倍、4万時間の長寿命だ。
調光器に対応した「一般電球形4.5/7.1W」は、業界初の0~100%のなめらかな調光を実現。小電力のLED電球を減光して使うことで、さらに省エネになる。LEDユニットの「フラット形6.4W」は、ダウンライト器具の場合で埋め込みの深さが55ミリという化粧コンパクト並みの手のひらサイズ。照明器具を小形化でき、工事しやすいので、設置の自由度も広がる。 東芝は防犯灯やスポットライトにもLED照明を提案。LEDアイテム数で、09年下期には469機種を発売する予定で、09年度累計828機種のラインアップを取り揃え、「LEDの東芝」を強くアピールしていく。