NYで食べ歩きしなきゃ 国際色豊かな屋台フード

   ニューヨークの街を歩くと、たくさん見かけるのが、食べ物の移動販売車。ダーティウォーターホットドッグと異名をとる名物のホットドッグ、もっちりした腹応えのするプレッツエル、アメリカンなBBQ、スパイスをきかせたラムやチキンにシュワルマを出す中近東屋台、ジャークチキンを出すジャマイカン屋台、有名シェフの中華ダンプリング専門店まで登場。

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オーナーは「ゲイのおじさん」



「ザ・ビッグ・ゲイ・アイス・クリーム・トラック」。明るく、てきぱき、ダグさんあってのこの店です

ホルモンを投与していない牛のミルク、卵、サトウキビが、「ヴァン・ルーウェン・アイスクリーム」の原材料。スモールサイズで3ドル95セント

   そして、近年のブームが、スイーツトラック。そうデザート専門の移動販売がブームなのです。この夏のニューフェイスは、「ザ・ビッグ・ゲイ・アイス・クリーム・トラック」(http://www.biggayicecreamtruck.com/)。

   オーナーは、バスーンニストで、音楽の博士課程に在籍中のダグさん。店名にあるとおり、ちょっと太めのゲイのおじさんです。オーケストラが休みになる夏の間の仕事として移動販売にトライしたら大繁盛というわけ。その理由の一つは、同性愛者という意味と共に「陽気な」という意味がある「ゲイ(gay)」という言葉を体現するダグさんにあるかも。レインボー(ゲイの象徴)や、ベーコンのトッピングもあり。

   ニューヨークで大ブレイク中のカップケーキも、きっと出ると予想していたら、やっぱり出ました。カップケーキ専門の「カップケーキ・ストップ」、ブルックリンのカフェベーカリー「ワン・ ガール・クッキーズ」で、焼き上げられるスイーツを販売するのは、「スウィート・スウィーツ」、コンピューターコンサルタント時代の6桁のサラリーをなげうって、ベルジャンワッフル屋台を開いた「ワーフルス&ディンゲス」(http://www.wafelsanddinges.com/)、ナチュラルアイスクリームの「ヴァン・ルーウェン・アイスクリーム」、フライトアテンダントの制服を元にデザインした制服で、クッキーやブラウニーなどのアメリカンスイーツを販売する「ザ・トリーツ・トラック」など、次々に新しいトラックが出現中。

   この移動販売、カフェやレストランほどの開店資金も要らず、お客さんが多そうな場所を選んでビジネスできる。と、いい事ずくめにみえるが、実態は、場所取り合戦の壮絶な戦いがあるのでした。1日中人の流れが多い繁華街で、車が止められる場所は、この狭いニューヨーク、とても限られています。「ザ・トリーツ・トラック」のキムさんは、「常識として、カフェのそば、同系列のものを売っている車のそばには停められません。初めて街にトラックで来た時は、死ぬほどドキドキして、隣の屋台に挨拶に行ったら、嫌そうな顔されて、そこは退散。でもね。意外といい人達が多くて、いろいろ助けてもらいました。」

   いい場所がみつからず、定位置を決められない新入りにとっての強い味方が、いま日本でもはやりのTwitterで、「ユニオン・スクエアに到着しました。17丁目の北西の角に夜の7時までいます。」などと、移動場所を常にアップして集客をはかっています。

今年の大賞候補は「ブリアニカート」


インド風ピラフのブリアニに、ジューシーなチキンが乗って6ドル。スパイシーです。

   次回のニューヨーク訪問で、「安い!」「うまい!」「早い!」の屋台に挑戦してみては?

   店選びの参考になるのは、毎年、9月に発表される「ベンディ(移動販売)大賞」(http://streetvendor.org/vendys/)。ハイレベルの戦いになってきた、今年の賞取り合戦は激戦が予想されます。ミッドタウンのオフィス街に出現するのは、今年のベンディ大賞候補の、ブリアニカート。元ヒルトンホテル勤務のメルさんがオーナーです。

   ちなみに、08年は、ソーホーに屋台を出す。カリフォルニア州のカレキシコ出身の兄弟が開いたアメリカンBBQとメキシカンの「カレキシコ・カルネ・アサダCalexico Carne Asada」。彼らは、屋台で貯めたお金で、とうとうブルックリンにお店を開店しました。07年は、ニューヨーク大学そばのワシントンスクエアに屋台を設けているベジタリアンの「ニューヨーク・ドサ」。06年はハラール肉をスパイスに漬け込んで調理する「サミーズ・ハラール」で、どこも人気屋台で並ぶの覚悟ですが、味は裏切られません。

坂本真理

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