センサーが身体感覚に近づいた? 「KDDI」 実空間透視ケータイ

   最近「拡張現実」とか「AR(Augmented Reality)」という言葉をよく耳にする。僕自身もセンサーを身の回りに相当数身につけているし、それが実生活の中で働いているのがわかる。カーナビはその最たるものだろうけれど、先日のワイヤレスジャパン2009でセンサーをただ付けるという段階から、センサーをどう活かすのかという段階に本格的に移ったことがよくわかった。

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撮った写真をその場に置いておく感覚


「地球アルバム(β版)」

画面には距離が表示。リアルな感覚だ

   その中でも面白い取り組みだな、と思ったのがKDDIの開発している「実空間透視ケータイ」だ。その場にいるのだから、地図が画面にでなくてもいいのではないか、それならデータを視覚化するだけでライブビューに合成する必要はないのではないか...という考えから作られているもので、確かにその方が圧倒的に画面の動きはいいだろう。

   ワイヤレスジャパンではその中から実際のアプリとして公開されているものが大きく紹介されていた。「地球アルバム(β版)」というものだ。自分の撮った写真をその場所に置いておく、という感覚で、このアプリを立ち上げてみると画面の中には距離が表示され、写真がたくさん置かれている。距離だけでなく方角がわかり、さらにケータイのかざし方で奥行きも変化する。水平にすればごく近所を俯かん、遠くにかざすようにすれば遠くまで見通せる。さらに距離をぐっと動かすこともできる。確かにとてもリアルな感覚に近い。

   さらに「MAWARIPO」という周辺情報を紹介してくれるもの、「トラベルビューアー」という旅に関わる情報を提供してくれるものなどが紹介されていた。やがてはこうしたものが混在したり、特定の情報を呼び出したり、写真にしても公開・非公開設定で他の人のものも見られるようになるのだろう。

NTTドコモが提案する「直感検索・ナビ」

   NTTドコモのブースにもやはり拡張現実に取り組んでいるコーナーがあった。カメラで周囲を覗いているとそこにある店舗やランドマーク、さらには友だちまでも探し出してくれる「みんなのドコモ研究室 直感検索・ナビ」などいくつかの取り組みが紹介されていた。やはり6軸センサーと呼ばれる仕組みを使ってGPS情報だけではないデータが利用されているのだろう。

   iPhoneを使っている人々も様々なGPSを利用したアプリケーションを楽しんでいるし、今のデジカメはやはりGPSデータを自動的に付けられている。それだけでなく露出などの撮影した時の様々な情報までタグとして付けられている。今は付いているだけのデータでも近い将来その利用法を思いつく人も現れるだろう。このデータをどうやって使えるものに仕立ててゆくかが開発者の取り組んでいるところで、そこでは正確さ以上に面白さや使い勝手のよさが求められる。

   現実はもはや見ているものだけではない。その奥まで見えてくるような開発がおこなわれている。「実空間透視ケータイ」とは言い得て妙だと思いませんか?

    

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