プレママだってお洒落したい 「おなか専用」メイクセット

   待ちに待った夏のヴァカンスシーズン到来。フランスのビーチでは、さっそく女性たちが、ビキニやトップレス姿で肌を焼いているが、その中にはプレママ(妊婦)たちもいて、大きなお腹を抱えて、のんびりと寝そべっていたりする。

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「妊娠祝い」として注目


お祝いに喜ばれる、おしゃれなボックス

   プレママたちのおなかに描かれているのは、植物や鳥、リボンなどをモチーフとしたかわいらしいイラスト。これは、フランスのベビー用品メーカーBABYMOOV社が販売しているプレママのおなか専用メイクアップセット「BELLY MAKE UP」を使用したものだ。セットには、おしゃれなデザインの丸いボックスに、貼るタイプのビーズ、タトゥーシール、メイク用ペンシルのキットが入っており、それを使って、大きなお腹に模様やイラストを描くことができる。なるほど、夏のビーチで、大きなお腹をメイクアップすれば、プレママ自身はもちろん、見る人の目を楽しませ、中にいる赤ちゃんもおしゃれな子に育つかもしれない。この遊び心たっぷりの商品は、15ユーロ(2000円程度)と手頃な価格で、妊娠祝いとして人気上々だという。

幾つになっても女を捨てないフランス人女性


タトゥーシールでおなかもオシャレ


イラストの色調は服と色を合わせることも

   しかし、こういうものが売れるのはフランスならではだなぁ、とつくづく思う。フランス人女性って、いついかなる時でも、いくつになっても、他人の視線を意識して、女を捨てない、っていう印象があるのだ。赤ちゃんを抱っこしながら小さな子どもの手を引くママがきれいにマニキュアやペディキュアを塗っていたり、デパートの化粧品売り場では60~70代のマダムたちが真剣な顔つきで口紅を選んでいたりする。先日、パリの映画館で、杖をついた80歳を超えていると思しきマダムが、フリルつきのブラウスにフレアスカートを着こなし、きちんとメイクをして、イアリングを付けているのを見かけ、すっぴん顔に洗いざらしのジーパンはいた自分をちょっぴり恥じたものだ。見回せば、昼間に1人で映画を見に来ている女性たちが、皆、さりげなくおしゃれをしている。「どうせ、暗い場所だし、誰も見てないし」なんて考えないのだ、私のように。

   フランスではベビー用オード・トワレも売っているし、小学生の女の子がお出かけ時にメイクをするし、生まれた時から死ぬまで"女"なのだ。

   いくつになっても他人から"女"と認められたいのならフランス人女性たちを見習うべし。ただ、ある程度の年齢になったら、女を捨ててラクに生きたい、という考えもありだと思うけど・・・。

江草由香

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