日々の記録を書き込もう! ライフスタイルノート人気
「ライフスタイルノート」とよばれる、日々の生活を書き込むノートが話題だ。料理のレシピを書き留めたり、旅行の思い出を書き込んだりして、自分オリジナルの1冊を仕上げるのだ。手作り感がいいと女性を中心にうけている。
自分用にカスタマイズする楽しみ
マークス社「ライフスタイルノートブックRecipes」。09年1月からは新シリーズの「Music」「Gardening」を追加(価格は1470円)
「ライフスタイルノート」とは、自身の記録を書きつづるノートのこと。先駆けとなったのは、マークス社(東京・世田谷)が2006年に発売した「ライフスタイルノートブック」シリーズだ。料理のレシピが書き込める「レシピ」、映画の感想を書き込む「シネマ」、旅の記録を残す「トラベル」など、現在では9種類のノートブックが用意されている。
たとえば、「レシピ」では、料理のレシピを書き込めるほか、食材のリスト、お気に入りのお店を記入できるスペースがある。同様に、「シネマ」なら見た映画の記録を書き込みやすいように、「トラベル」なら旅行先での記録や写真を貼り付けやすいなど、それぞれの興味にあうような細かい作りとなっている。
発売元のマークスによればもともと、新しい手帳を作ろうという企画から出発した。そこで、手帳がどうやって使われているのかを探ったところ、仕事用とプライベート用の2冊を使いわける女性が多いことがわかった。そこに着目して、「趣味用の手帳があれば」と売り出したのだという。これが当たり、この1年間では合計4万冊を売り上げる人気商品となった。
中でも、圧倒的に人気があるのは「レシピ」だ。同社の担当者は、次のように人気の理由を分析する。
「買ってくるレシピ本を見るよりも、自分で作ったレシピを記入したり、雑誌を切り抜いたりして自分用にカスタマイズするのが人気の秘密でしょう。お客様からは『こういうのを待っていた!』という声が寄せられています。また、書き終えたときの達成感も魅力なのだと思います」
売れ行き好調「シティノートブック」
モレスキンの「シティノートブック東京」(価格は2940円)
同様のノートは他にもある。デザインフィル(東京・渋谷)が発売している「トラベラーズノート」は旅行用に特化しており、リフィルのつけ替えができるのが特徴だ。また、クオバディス・ジャパンのコンセプトノートシリーズ「メモリエ」は、「楽しいひと時」「チャレンジした経験やつらい出」「育児ダイアリー」などと名付けられた自分の気持ちや状況にあわせたノート12種類がラインアップされている。
ヘミングウェイやピカソが愛用したことで知られる黒いカバーが特徴的なノート、モレスキンが08年11月に日本で発売した「シティノートブック」も話題の商品。ヨーロッパ・アメリカに続き東京版と京都版が発売となり、こちらも売れ行きも好調だ。特徴は、地図が挟み込まれている以外は既存のガイドブックとは異なり、ほとんどが自由に書き込めるページであること。ただ、個別にインデックスがつけられており、レストランやカフェ、ホテル名を自分で書き込んでいく仕組みで、自分のためのシティーガイドを作り込むというコンセプトだ。
「やはり自分で書いて完成させるというのが人気なのでしょう。実際、購入されたお客様(20代男性)の話によれば、売っているガイドブックやネットの情報を1冊にまとめて使われているようです。また、思い出とともに保存したい、という気持ちもあるみたいですね」
モレスキンの輸入代理店カファの担当者は、その人気の理由について、こう話している。
そして、とりわけ東京版では、自分の住んでいる街を記録して使用している人も多い。気に入った店、場所を忘れずに書き残したいという思いが強く、自分で集めた情報がたまっていくのは、ブログとはまた違った味わいがあるようだ。