出だし好調の任天堂「DSi」 大ヒット達成の「鍵」は?

   2008年11月1日に発売された携帯ゲーム機「ニンテンドーDSi」。発売してわずか2日間で17万台が売れたといい、出だしはかなり好調のようだ。しかし、一方で「DSi」ならではの機能がまだPRしきれていないという点もあり、先行きは不透明だ。

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「ゲーム機」の枠を超えた「ゲーム機」


新しく付いた内蔵カメラが目を惹く

   今回発売された「ニンテンドーDSi」は、2006年に発売された「DS Lite」の後継機種。サイズは「Lite」とほぼ同じながら、液晶画面を3.0インチから3.25インチへと拡大したほか、カメラ機能や専用ブラウザでのインターネット接続機能など、従来の携帯ゲーム機の枠を超えた機能を搭載。鳴り物入りで登場した。

   ゲーム出版社のエンターブレイン調べによると、「DSi」の初週販売台数(11月1~2日の2日間)は17万779台。2日時点での店頭消化台数は約85パーセントとのことでほぼ完売状態だ。実際に、都内の大手家電量販店でも、初日にほとんど売れてしまい、今ある在庫も予約キャンセル分だとのこと。好調な出だしであることに間違いはない。

「DS Lite」で十分?

   だが、今後の先行きは不透明だ。「ニンテンドーDS」の「Lite」を含めた2008年10月26日までの国内推定累計販売台数は2362万台。任天堂は「一家に一台から一人に一台」を目指しているが、少なくとも国内ではすでに飽和状態とも言える。

   前回「DS Lite」が発売された際には、初代「DS」を持っていた人さえもが、コンパクトで洗練されたデザインに惹かれ、競って「DS Lite」を購入する様子が見受けられた。しかし、今回の「DSi」は新たな機能が付いてゲーム機としての可能性が広がった一方、バッテリー駆動時間の減少や、ゲームボーイアドバンス用のソフトで遊べなくなるなど、従来のユーザーが新たに購入するためのハードルも少なくない。

   また、購入したはいいものの、結局ゲーム機としてしか使用していない、という声も聞く。「DSi」の機能をフルに活用した専用ソフトが出揃っていない現段階では、携帯電話で十分代用できるカメラや音楽再生などの機能に魅力を感じないというのだ。

   任天堂は、初回出荷台数の20万台に加え、新たに10万台を追加出荷することを決定している。「DSi」は「Lite」に続くことができるか。今後の鍵は、「DSi」でしかできないことをいかに充実させるかということにありそうだ。

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