「ミラバケッソ」CMで注目 モコモコ毛の「アルパカ」大人気

   ウォークマンを聴くサル、三菱ミラージュのエリマキトカゲ、最近ではソフトバンクのお父さん犬……テレビCMをきっかけに人気者になった動物はけっこう多い。そんな中、今度はラクダの仲間で白いアルパカの「クラレ」が登場し、さっそく注目の的となっている。

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成海璃子との“共演”で人気の「クラレ」


CM効果もあり、来場者が増えているという「アルパカ牧場」のHP

   「ミラバケッソ、ミラバケッソ」。白いどってりとした動物がこんな風に連呼する、一風変わったCMを一度は見たことがあるだろう。これは、化学メーカーのクラレが放送するキャンペーンCM。そして、この白い動物は、ラクダの仲間・アルパカだ。南アメリカはペルーの標高3000メートルに位置する、アンデス地方にその多くが放牧されている。

   CMでは、女優の成海璃子さんがアルパカに向き合って、「ちゃんと言えるようになったねー、クラレ」と喜んでいる姿がほほえましい。おじいちゃんに「その子の名前、ハナコだろ」とツッこまれるも、成海さんは意に介さず。「ミラバケッソ、ミラバケッソ」「そうそうクラレ~」とのやり取りが続き、柔らかそうな毛に身を覆われたアルパカを抱き締める。なんとも微笑ましい、ユニークな内容だ。

   このアルパカ「クラレ」が、テレビCM出演を機に人気に火がついた。クラレが暮らしている栃木・那須町のテーマパーク「アルパカ牧場 那須ビッグファーム」は連日、観光客で大にぎわいを見せているという。

アルパカの「人懐っこさ」は動物の中でも稀


アルパカの写真も多数掲載されているブログ「アルパカ牧場日記」

   「アルパカ牧場」の代表・熱田晴一さんは「CMが08年8月25日にオンエアされて以来、来場者数が6倍に増えた」と喜色満面。休日だけでなく平日も女性客を中心に来場者が増加しているそうだ。さらに、同牧場のスタッフが更新しているブログも、1日3万から30万アクセスに激増しているという。

「牧場では、アルパカを散歩させることができます。お客さんは、記念写真を撮ったり、CMのように抱きついたりと楽しそうですね。時間は10分~15分。混んでいて、お待ちいただくこともありますが…」(熱田さん)

   「アルパカ牧場」は1999年の設立だが、一般に開放したのは2006年から。開放まで7年もかかったのにはワケがある。CMからは想像できないが、本来、アルパカはとても臆病で、人見知りの激しいシャイな動物。それが200頭もいたのだから、人間になじむための準備期間も長期間に及んだのだった。

   設立から7年費やしはしたもの、一般公開に持ち込めたのは「奇跡」といえるだろう。それはスタッフが日々根気よく接したことに加え、開放以来、来場者が熱心にかわいがったためだ。実際、世界でも珍しいケースで、ペルーアルパカ・リャマ飼育協会代表のゴドイ・ムニョス・オルテガ氏が来日した際には、「世界一人懐こいアルパカを育てている牧場」と賞賛している。

   ちなみに、CM撮影時にも、「クラレ」は成海璃子さんにすぐ懐いたとのこと。ただ、撮影初体験の緊張からかトイレに行けなかったり、カメラが回っているというのに反芻(はんすう)を始めてしまったりと、いかにも“動物らしい”ハプニングもあったそうだ。

   そんな人懐っこくって、癒し系動物のアルパカ。前出の熱田さんは、その魅力を次のように語っている。

「目を合わせたときにそらさないところは、すごくかわいいと思います。また、毛並みもモコモコとしていて、まるで綿菓子のようです。ぜひ、散歩をさせに遊びに来てください。多くの人に、アルパカの魅力を知ってほしいと思います。」

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