ブーム検証「カレー鍋」 キーワードは「だし」と「具材」
巷(ちまた)で「カレー鍋」が大注目されているのをご存じだろうか。スーパーでも、各メーカーが工夫を凝らした「カレー鍋のつゆ」が所狭しと並んでいる。まだまだ残暑が厳しいというのに、ウケている理由は? カレー好きが揃うJ-CASTモノウォッチ編集部が検証してみた。
カレー鍋だからそこ「だし」にこだわり
フジッコの鍋つゆを使用したカレー鍋。実においしそう
そもそもの発祥が、兵庫県姫路市にある和風居酒屋「喰い切り酒場 伝心望」のまかない料理からだと言われている「カレー鍋」。口づてなどで広まり、飲食店メニューを経て、家庭調理用鍋に使われる「つゆ」が市販されるようになった。
「だしを作るのが面倒」「手軽につくれないか」など、一般からの声が各メーカーの商品化を後押ししたのは言うまでもない。
2007年のフジッコを皮切りに、永谷園、日本水産が和風だしとカレーのスパイスをあわせたカレー鍋のつゆを発売し、08年はカレー関連が主力商品のハウス食品、エスビー、ヤマモリ、桃屋、モランボンの5社が新たに「カレー鍋」市場に参入している。
商品化に際し、各社それぞれの趣向で臨んでいるようだが、ここではハウス食品の例をみてみよう。同社は、ベネッセコーポレーションが発行する主婦向け雑誌「サンキュ!」の一般モニターから情報発信力の強い7名の主婦を選抜。彼女たちが具体的な商品開発に協力している。
主婦層の意見も参考に
カレー鍋つゆ「寄せ鍋風」と「ちゃんこ鍋風」(ハウス)
また、既存商品のマーケティングから「辛そうで子ども向きでない」との声も拾い、外食イメージをそのまま持ち込むのではなく、幅広い年齢層に受け入れられるマイルドな味も研究したという。
そうした努力の甲斐あって、実に「こだわり度」の高い商品が生まれている。
他の鍋も同様だが、カレー鍋も「つゆ」の「だし」が決め手。もっといえば、「だし」のうまみとカレーのスパイスが混ざり合っているところがポイントらしい。
例えば、ハウス食品のカレー鍋つゆでは「焼津産かつお」「北海道産こんぶ」や「国産丸鶏」、「クミン、コリアンダー等で作った直火焙煎スパイス」が。また、フジッコのカレー鍋つゆにも「羅臼こんぶ」が使われ、こだわった和風だしに仕上がっている。
具材を選ばないのも「カレー鍋」の特長
ハウスが提案する「きりたんぽカレー鍋」
鍋に入れる具材も大切だが、これといった決まりがないのもカレー鍋のよさ。ブロッコリーやおくら、かぼちゃ、ニンジン、魚介類…と、何でもござれだ。
ちなみに他社に先がけて「カレー鍋つゆ」を発売したフジッコの広報担当者は「キャベツ、厚揚げ、ちくわ、子供にはソーセージ、アスパラなどがおすすめです」と話している。