「眠り」第一主義のホテルも登場 「個性派ホテル」が続々オープン

   「快適な眠り」にとことんこだわった新しいタイプのホテルが2008年4月17日、東京・秋葉原にオープンした。そのほかにも近頃の東京では、システムキッチンつきのホテルや隠れ家的なホテルなど、個性的なホテルが次々と登場している。

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客室ではなく「寝室」を目指す


開放的なシャワーブース(写真左)でシャワーを浴びたあと、マッサージチェア(同右)でリラックス

   つくばエクスプレスが乗り入れる秋葉原駅の目の前に誕生したのは、阪急阪神第一ホテルグループが運営する「REMM(レム)秋葉原」だ。ホテル名の「REMM」は、レム睡眠の語源である「Rapid Eye Movement」からの造語。「快眠」というホテルのコンセプトから名付けられた。

   シングルルーム225室、ツインルーム35室の全260室。客室ではなく「寝室」と呼べるように、素足で過ごせるフローリングの床や開放感あふれるガラスのパーティションなど、快適な眠りに向けたさまざまな工夫が施されている。

   特製のベッドは通常の倍の数のスプリングを使った超高密度構造。場所によって硬さが違うため、身体のラインに沿って包み込むような寝心地だという。シャワーブースも「眠り」優先。バスタブをあえて置かないで開放的な空間にしたほか、専用のベンチに座ってドイツ製のレインシャワーをたっぷり浴びられるようにした。

   さらに全室にマッサージチェアを設置し、睡眠前にゆったりとくつろげるように配慮した。室外のロビーやエレベーターホールも「よりよい眠り」を意識したデザインという徹底ぶりだ。

システムキッチンつきの部屋もあるアパートメント型ホテル


ゆったりくつろぐことができるリビングルームつきの部屋

   一方、料理や洗濯といったアクティブな「生活」を重視したホテルもある。

   新宿にほど近い大久保には08年3月、外資系の新しいタイプのホテル「フレイザープレイス・ホフ新宿」がオープンした。シンガポールを拠点に北京、バンコク、マニラ、ソウル、ロンドンなど国際的なホテル経営をしているフレイザーズ・ホスピタリティが日本に初上陸。長期滞在もできるサービスアパートメントを始めた。

   3階から21階までのフロアに全175室を用意。そのうち3階~12階はレジデンス用、13階~21階は宿泊用ホテルとして提供している。ルームタイプはベッドルームのみのシンプルなものから、システムキッチンや全自動洗濯乾燥機を備えたリビングルームつきの部屋までさまざまなタイプがあり、目的に応じて選べるようになっている。

   すべての部屋に、BOSEのホームシアターサウンドシステムや大画面液晶テレビ、iPod ドック付き目覚まし時計が設置され、最新のAV機器で快適な時間を過ごせるようにした。

   同ホテルによると、平日は東京に出張してきたビジネスパーソンの利用が多いが、週末は中国や台湾、韓国からのツアー客が多く宿泊しているという。

   フレイザープレイスの特徴は、サービスアパートメントとホテルの両方のライセンスで経営している点だ。

「キッチンつきの部屋ならば、1、2週間の滞在にも対応できます。短期宿泊の場合でも、ワインのつまみ用にちょっとしたクッキングをするなど、通常のホテルと違う利用の仕方ができます」

   とフレイザープレイスの広報担当者は「今までにない新しさ」をアピールしている。

安らぎ優先の「隠れ家的ホテル」でのんびりと


ライトアップされた東京タワー(写真右奥)を眺めながら夜をすごす

   東京ミッドタウンや六本木ヒルズといった人気スポットに近い麻布十番には07年12月、隠れ家的な雰囲気をもったデザインホテル「HOTEL THE GLANZ(ホテル ザ グランツ)」がオープンした。

   同ホテルのインテリアは個性豊かな海外ブランドを採用。ベッドはシモンズ社の高級ベッド、バスルームはジャクソン社のブローバスやハンスグローエ社のシャワーを設置し、快適な時間を過ごせるようにした。

   部屋数は全部で21室とこじんまりしているのが特徴だ。同ホテルの広報担当者は

「小さいことが個性だと思っています。セカンドハウスにいるような安らぎ感を提供できれば……」

   と語る。ルームサービスにも力を入れていて、夜遅くまで南仏料理を部屋に運んでもらえる。そのため、外で出て行くというよりも室内にこもってルームサービスを受ける客も目立つという。

「コンセプトはスモールラグジュアリー。一流ホテルと同レベルのしつらえで、それぞれのニーズにあわせた自由なスタイルでのホテルステイが可能です」

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