休日をしっかり取れる
後半の第2部「雇用就農という選択肢」も、3人がトークを行った。
静岡県富士宮市にある酪農牧場「朝霧メイプルファーム」で社内プロジェクトのリーダを務める、城樂七海さん。もともと動物園の飼育員になりたかったが、採用が大学4年の秋からと卒業間際の時期になると知り、「他にはどんな就職先があるのか調べた」のが、同社に入るきっかけになった。就職の決め手を、こう説明した。
「朝霧メイプルファームは、ジョブローテーションがあることにより休日をしっかり取れて、安定したお給料もきちんともらえ、安心感がある」
仕事内容は、「マニュアル化もきちんとされています」。入社1~3年目までは、牧場全体の仕事をひと通りできるようになるまで、先輩について2人で仕事に取り組む。以後、仕事を覚えたタイミングで自分のやりたい仕事を見つけ、それをメインにしていくという。
城樂さんが特に好きな仕事は、子牛の世話だ。「とにかく子牛がかわいい」と話し、今後の目標を、「まだできていない牛の爪切りや、人工受精の技術を習得したい」と語った。
「トップリバー」(長野県御代田町)に勤める永崎亮太さんは、2021年に自社農場全域を管理する統括農場長に任命された。およそ80ヘクタールと広大な面積の農場管理と、16人の従業員の人材育成などを担っているという。
永崎さんは、「これからは組織として持っている課題や目標に対して、しっかり真摯にみんなで向き合いたい」と意気込む。「それを実現し、この組織で農業をやることの喜びを分かち合いたい」と続けた。
最後に話したのは、「update」(北海道伊達市)の今村純さん。同社は2022年12月にスタートし、 主にレタス、サツマイモ、カボチャを栽培している。
今村さん自身は新卒で農業機械メーカーに就職した後、農業メディア事業会社を経てupdateに入社した。 現在は栽培管理の統括をしている。
「農業には、チームでやっていくところの良さがある」
と今村さん。「さまざまな人脈を作っていくことが、特にこの業界は必要。今後農業を始める人に伝えたいです」と、アドバイスを送った。