若手農業者と未来の新規就農者との交流を図るイベント「未来を切り開く、農業の挑戦者になる!未来農業フェスタ2025」が、2025年2月22日に開催された。
主催した「農業の魅力発信コンソーシアム」は、農林水産省が実施する「農業の魅力発信支援事業」を活用して発足し、この2月に3周年を迎えた。イベントでは「ロールモデル農業者」6人が、農業視点での地域おこし、農業での多様な働き方をテーマに、農業の未来や可能性を考えるトークセッションを行った。
子育てしながら働ける環境が農業にはある
トークセッション第1部「農業を通じた地域おこし」には、3人が参加した。最初に話したのは、奥村光希さん。長野県喬木村のドライフルーツ専門農家「Orchard muku.」に30代で就農し、祖父母から受け継いだ畑を営む。
結婚後、隣の飯田市で暮らしていたが、経済的に安定した生活が送れず苦しかったという。そのさなか、祖父母から「戻っておいでよ」と声をかけてもらったのが、就農のきっかけになった。その後、祖母が亡くなったタイミングで農園を継いだ。
「子育てしながら働ける環境が農業にはある」点に、奥村さんは魅力を感じているという。今後は商品の海外輸出を視野に、「果物を自分の名前の商品として出していきたい」と思いを明かした。
農業をやってみたい、でもどうしたらいいか分からない――そういう人が体験してもらえるような農園になればいいと語った奥村さん。「(農業が)面白いなって思ってもらえたら、うれしいです」と締めくくった。
東京都青梅市にある「とのわファーム」の清水雅大さんは、医療業界から農家に転身した。「コロナ禍を経て、農業にチャレンジしようという思いが出て」異業種から飛び込んだ。現在は3人で、多品目野菜を育てる。
「今後は、いろいろな方が農園に遊びに来てくれたらうれしい」と思いを口にした。
いっぽファーム(岩手県平泉市)の石川智之さん・圭さん夫妻は、イチゴとナスをメインとした農園を運営している。この日は、イチゴの収穫をしてからイベントに来たと話した。
今年で3期目に入るという石川夫妻。「地域や、周りの人たちにサポートや応援いただいたからこそ、今があると思っています」と感謝を述べた。今後は「誰かの1歩を支えられる農園を作っていきたい」と語った。