建設機械大手のコマツ(東京都港区)は2024年12月1日、ICT機能を搭載した新世代油圧ショベル「PC200i-12」を建設・土木事業者向けに発売した。
同社が11月27日に幕張メッセで行った発表会で、お披露目された。4つのポイントとして「ICT機能の搭載」、「安全性の向上」、「快適性の向上」、「生産性・メンテナンス性の向上」を挙げた。
経験浅いオペレーターでもストレスなく
「PC200i-12」は、土木分野の主力機種となっている機械質量20トンクラスの油圧ショベルをフルモデルチェンジ。車両本体に「3Dマシンガイダンス」を標準装備していることが特長だ。
「3Dマシンガイダンス」とは、運転席のディスプレー上に、設計図面データと自機の位置や姿勢などの情報が表示される機能。これにより、オペレーター(操縦者)が設計図面に対し、掘削位置を判断できるようになる。
また、オペレーターの操作を自動でサポートする「3Dマシンコントロール」という機能も使用可能だ。各種センサーやGPS、GNSS(衛星測位システム)、3次元設計データを利用して、オペレーターの操作を自動化するものだ。利用度に応じた料金プランが設定されている。
3Dマシンコントロールの機能としては、従来の「自動停止制御」、「自動整地アシスト」、「パケット角度保持制御」に加え、掘削した土をダンプカーに積み込む際に、自動でアームを旋回する機能が新たに搭載された。ダンプトラックへの積み込み作業をアシスト。積み込み作業のセミオート化を図るという。
こうした機能により、細かな操作を必要とせず、経験が浅いオペレーターでもストレスなく作業できる。
燃費効率、作業量、掘削力アップ
「PC200i-12」は、安全性も高まっている。周囲の状況を把握する高精細広角カメラを4台搭載。作業半径内に人が近づくとブザーで注意喚起し、併せて危険時の速度制御と停止を行う。また、衝突回避範囲を判定し自動停止する、ジオフェンス機能もある。工事現場内の電線や配管などとの接触を自動で防ぐのに役立つ。
車体の制御では、コマツ独自の電子制御油圧システム「エレクトリック&ハイドロリックシステム」を採用した。これにより、燃費効率が20%向上、作業量は18%増加、掘削力も7%アップし、作業効率が高まっている。
「PC200i-12」の機械質量は20.7トン、エンジン定格出力は129キロワット、標準バケット容量は0.8立方メートル。公表価格は3150万円。