メルカリ(東京都港区)は2024年8月20日~28日、東京・原宿で「名前のわからないもの展」を開催している。文字通り、日常にあふれる「名前のわからないもの」を集めた展示会だ。
J-CASTトレンドが取材すると、展示品は正式名称がついている。だが一見しただけだと「そういえばコレ、なんて呼ぶんだろう......」。
バイオリンの「f」字型の穴の名前
会場の中に入るとすぐ、名前を考え込んでしまう品がずらりと並んだテーブルが。
蚊取り線香で使用する、ブタをかたどった陶器。この名称は「蚊遣豚(かやりぶた)」だ。また、バイオリンの中央部分に左右対称で空いている穴。アルファベットの小文字の「f」のような模様で、「f字孔(えふじこう)」と説明があった。
展示ブースの前方には鳥居があり、その下におみくじが入った箱が置いてある。「メル神おみくじ」と書かれたおみくじは、名前のわからないものにちなんだ内容だ。
記者が引いたおみくじを開くと、イラストが描かれていた。理髪店に設置されている、赤・青・白の帯状の模様がクルクル回る「サインポール」――そして、これが「大大吉」だった。
「何事にもうろたえることなく、どしりと構えているとよい。サインポールのように」
こんなメッセージが添えられていた。
奥のブースでは、「名前のわからないもの」の正式名称について詳しく説明された用紙が多く貼られていた。例えば、卵黄に付く白いひも状のものは、「カラザ」という名前がついている。その由来について、説明されているものがあった。
説明書きは、壁一面にびっしり。「こんなにも名前が知られていないものがあるのか」と、記者自身びっくりした。
最後のブースでは、市販の弁当などについている魚型のしょうゆさし「ランチャーム」を使用した、「ランチャームすくい」ができる。ここでは、金魚すくいで使用されるポイを使い、水の入った水槽の上に浮かんだランチャームをすくう。5個とれると缶バッジが当たる巨大ガチャが回せるコインがもらえる。
記者も挑戦。思ったより「ランチャーム」が軽かったこともあり、楽々すくうことができた。
240個の展示品の名前を覚えきれない
メルカリ広報に取材すると、メルカリでは、出品したくても正式な名称が知られてないため適切な商品名をつけられず、家に眠っている品が多くあるという。そこで、「名前のわからないもの展」を開催するに至った。
展示品は、『アレにもコレにも!モノのなまえ事典』シリーズ(ポプラ社刊)に登場するものと、SNSで話題の品から選んだと話す。特に人気なのはランチャームで、メルカリでもよく売買されているという。
展示されている数は、240個。数が多いうえに名称が知られていないせいか、展示会に関わるプロジェクトメンバー全員が、必ずしも全ての展示品の名前を覚えきれておらず、打ち合わせの際に伝わらなくて苦戦したそうだ。