塩を節約した結果の産物
北欧では、中世からニシンの漁獲量が豊富でした。大量にとれてしまったニシンの保存方法として生まれたのがシュールストレミングです。世界中を見渡すと、ほとんどの場合は大量の塩を使った塩蔵保存を行います。しかし、北欧では塩がとても貴重なため、塩蔵することができません。
そこで生まれたのが、樽の中で濃度の低い塩水にニシンを漬け込む方法です。近代に缶詰の技術が生まれると、樽ではなく缶詰の中で塩水に漬け込むようになったようです。
通常は缶詰に仕込んでから10?12週間程度で完成します。つまり、ちゃんとした品質管理のもと、良いタイミングで食べればおいしくいただけるということ。開けると爆発する、鼻が潰れるほど臭いという状態のものは、品質管理がずさんだったり製造から開缶までに必要以上の時間が経過してしまっているせい。発酵しすぎると、中身が液体状になってしまうこともあります。適切なタイミングで食べることが重要な発酵食品ですね。