周りにどんな建物があるか分かりやすい
記者も消費者側に回り、模擬体験を行った。新規オープンするテナントの立地場所を選ぶ想定で、候補地は2つ。一か所目はカフェが入居するビル。二か所目はコンビニのあるビルだ。いずれもビルが密集している場所に建つビルだったので、他に飲食店があるようには思えず、記者はコンビニが入るビルを選んだ。360度見渡せることで周りに何があるのか具体的にわかり、即決しやすかった。
金谷さんによると、これまで行われていた市場調査は、ノベルティーや謝礼目的で回答する人、また市場調査では調査員が町を歩いている人に声をかけて頼むので、早く済ませたがる人が多かったそうだ。
メタバースによる「体験調査」では、対象者は自らメタバースに来るモニターなので、自ら長居をする人が多い印象だという。複数人で調査を行う時も多々あり、その場合には気持ちを動きで表す「アクションボタン」を活用して回答を集計する方法をとることもあるという。
20種類のルームの中には、学校をイメージした場所もある。金谷さんによると最近では、自治体の不登校支援の一環でこのルームをオンライン授業や、相談をする場として活用するというケースが増えた。「学校ルーム」に入るまでに、バスに乗り通学できる機能も追加。実際に通学している雰囲気が味わえるので、リアルの学校に登校できるようになるきっかけになればうれしいと話した。