「難関資格」目指すスポーツ選手たち 医師や弁護士、公認会計士など

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   スポーツ選手として頂点を目指した後、新たに医者や弁護士、公認会計士などの難関資格に挑戦する人が増えている。ラグビーW杯や東京五輪で活躍したレジェンド、箱根駅伝に出場したランナー、元高校球児、元プロ野球選手など多士済々だ。

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1日12時間の猛勉強

   2024年4月3日の朝日新聞が紹介しているのは、岩切太輝さん(24)。司法試験に昨秋合格した。今春から司法修習生となる。

   岩切さんは元高校球児。宮崎県出身。春夏3度の甲子園優勝を誇る強豪・日大三高の野球部に進み、野球漬けの高校生活を送った。しかし、故障などで、甲子園の夢はかなわなかった。

   一浪して進んだ東京学芸大では、硬式野球部で4番を任されたが、プロ野球や社会人野球への道のりは遠い。そこで、法律面から野球をサポートしたいと方向転換、多い日は12時間机に向かって合格した。

   23年11月17日のスポーツ報知によると、プロ野球の巨人や楽天でプレーした池田駿さん(31)は同年、難関の公認会計士試験に合格した。新潟明訓高時代は甲子園に出場。専修大、社会人野球を経て念願のプロ野球に。現役時代は通算83試合に登板して2勝3敗5ホールドの成績を残したが、けがもあって引退。その後、猛勉強を重ね、栄冠を勝ち取った。

   プロ野球選手の「第二の人生」はしばしば話題になるが、公認会計士に合格というのは異例だ。

3度も箱根駅伝に出場

   箱根駅伝で活躍した選手からは弁護士も誕生している。梁瀬峰史さん(36)。山形県の中学から、宮城県の名門・仙台育英高に進み、高校時代は全国高校駅伝に出場。中央大法学部在籍時には、3度も箱根駅伝に出場したエース級ランナーだ。実業団には進まず、司法試験にチャレンジして合格した。

   国際舞台で活躍した選手の中から、医学の道を志す人も目立っている。ラグビーW杯で大活躍した福岡堅樹さん(筑波大出身)は21年春、順天堂大学医学部に合格した。世界選手権で何度も金メダルを取るなど活躍してきた柔道の朝比奈沙羅さん(東海大出身)は、独協医大医学部に進んだ。

   110メートル障害の金井大旺さん(法政大出身)は日本新記録を出したこともあるトップ・ハードラー。21年の東京五輪にも出場し、準決勝まで進んだ。朝日新聞によると、北海道函館市にある実家は歯科医院を営んでいる。東京五輪で競技を引退し、歯学部で学んでいる。

医師国家試験に合格も、競技を続ける

   一方、すでに難関を突破したものの、今も競技を諦めきれない人もいる。

   スポーツ報知によると、ウエスタン・リーグに新規参入した、くふうハヤテの竹内奎人投手(24)は、24年3月15日、医師国家試験に合格したことを報道陣に明かした。現役プロ野球選手の医師試験合格は異例中の異例だ。

   U-15では日本代表入りし、世界7位になったこともある野球少年。静岡高校時代は甲子園にも出場した。群馬大学医学部時代は準硬式野球部に所属していた。同紙の取材に、「今は野球が100。医師の道はいったん置いて、野球に集中します」と語っている。

   陸上女子800メートルの広田有紀さん(28)は、新潟高3年時にインターハイで優勝。秋田大学医学部時代は、インカレで2位。大学卒業後は、新潟アルビレックスRCに属し、陸上に専念した時期もある。すでに医師国家試験に合格しており、パリ五輪を目指して研修医と陸上競技の生活を両立させてきた。新潟日報によると、今季は6月に新潟県で開催される日本選手権に照準を絞る。「地元の大舞台を走り、陸上への気持ちを確かめたい」と語っている。

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