JR西日本(大阪市)は、スマートフォン向けメタバース「REALITY(リアリティ)」で、「バーチャル大阪駅 3.0」を2025年3月まで開業中だ。実際の大阪駅をバーチャル上に再現。スマホがあれば、誰でも入ることができる。
前回2023年3月に開催した「バーチャル大阪駅 うめきたワールド」では、約600万人が来場した。今回はどこが変わったのだろう。
ゆうちゃみのトークがメタバースでも
過去2回のバーチャル大阪駅の取り組みを進化させる形で、第3弾となる「バーチャル大阪駅 3.0」を開始した。「バーチャル大阪駅 3.0」はアプリ「REALITY」の「ワールドロビー」に設定された。バーチャル大阪駅のワープゾーンから、アプリ「REALITY」内にある他の「ワールド」(メタバース上にある仮想空間)にワープできるようになった。
バーチャル大阪駅内には、展示エリアやステージを設置。ユーザーが描いたイラストを展示したり、ステージ上で歌を歌ったりと、パフォーマンスをアピールする人や、それを見たい人が集まる空間ができた。JR西日本のビジネスデザイン部・長沼悠介さんによると、今後は企業が出展できるようになるという。例えば、ステージの背景に企業のCMを流し、その前で歌えるような、出展企業のコンテンツと来場者がコラボレーションすることが可能になる。
2024年3月31日には、「バーチャル大阪駅 3.0 ライブフェス」が行われた。バーチャル上で活動をしている「しょしょのすけ」さん、「らんま」さんといったVライバーを、大阪駅の会場に設置した画面に投影。一方、大阪駅会場でトークライブをしたタレント・ゆうちゃみさんをバーチャルで流し、リアルとメタバース双方で楽しむ試みが行われた。
バーチャルとリアル両方の駅の連動目指す
バーチャル大阪駅が今後目指す姿について、前出の長沼悠介さんに聞いた。
話によると、大阪駅をバーチャルで再現・拡張したことで、実在の駅に訪れる利用者以外の人と、JR西日本との接点が増えた。今後は、例えば大阪駅で購入したアイテムがバーチャル大阪駅でも使用できるなど、リアルとバーチャルの掛け合わせによる発展的な活用を考えているようだ。「バーチャル大阪駅」とリアルの大阪駅が連動するような新たな「共創フィールド」になればいいと、長沼さんは話した。