アニメーションではなく実際に動いて試合をする
改めて「とり」さんに取材した。メタバースの世界で体を動かし、心身ともに健康になってほしいとの思いから、ワールドを制作したそうだ。試合では、相手と距離を開けすぎるとパンチが届かず、うかつに踏み込みすぎると攻撃にさらされるので、常に足を動かす必要があり、かなりの運動量になる。「アニメーションでのボクシング体験ではない」のがミソだ。
「階級差」がないのもVRならではの魅力。現在、VRCボクシング練習会には男性ユーザーが多く集まっているという。今回、試合に臨んだカスマルの人格は女性で、「相手の性別や体格がどうか、という点を気にせず戦えた。現実のジムではできなかった体験」と話した。
練習会を立ち上げてから二年半、毎週木曜と日曜に休まず行ってきたことで認知度が高まり、来場者が増えてきたと、とりさんは語る。VRCボクシング練習会での経験をきっかけに、現実世界でボクシングを始めた人も多いという。
ボクシングに興味はあるものの、住まいの近くにジムがなかったり、あっても行く勇気がなかったりする人にとっても、気軽に接点を持ちやすい場所だ。参加方法は、VRCボクシング練習会の公式XにリプライやDMで連絡をすると、案内してもらえる。