新型コロナウイルスの自己負担額が2024年4月1日から、大幅増になる見通しだ。ワクチンは最低でも7000円前後、治療薬は標準的なケースで2万8000円が想定されている。公費支援が撤廃されるためだ。
現在の3倍に
24年2月20日の読売新聞によると、政府は4月以降、新型コロナウイルスに関する公費支援を全面撤廃する方針を固めた。新型コロナ治療薬の公費負担をなくし、患者の保険診療の負担割合に応じて1~3割の窓口負担を求める。
治療薬は21年10月から、全額公費負担となっていたが、昨年10月に縮小され、年齢、収入に応じて、3000~9000円を自己負担している。
同紙によると、今年4月からは、重症化予防に用いるラゲブリオを使う場合、1日2回5日分の1処方あたり約9万円のうち、3割負担であれば約2万8000円を自己負担することになる。現在の約3倍だ。入院医療費に対する「最大月1万円」の公費支援やコロナ患者用病床を確保した医療機関に支払われる「病床確保料」(空床補償)も終了する。
共同通信によると、日本感染症学会や日本化学療法学会など3学会は2月8日、治療代が高額で薬を諦めるケースが想定されるとして、公費支援の継続を求める要望を武見敬三厚労相に手渡していた。