少しの量でもリスクあり
正解は、2の「滞在中の洗顔や歯磨き」です。
インドに限らず、海外旅行先で下痢をしてしまうというのは、よくあるパターン。旅行中や帰国後の下痢症状はまとめて「旅行者下痢症」と呼ばれています。これは、インフラ整備が十分にされていない不衛生な場所が多い地域に旅行した人に、特に多くみられるようです。海斗さんのように、飲み水や食事に気をつけることが、予防策としてはかなり有効です。
しかし、意外と見落としがちなのが歯磨き、洗顔、シャワーなどで使う水。ゴクゴクと飲むわけではなく、口をゆすいだり洗い流したりするだけなので、こうしたシーンでは水道水を使う方もいるようです。もちろん、すすぎ程度であれば下痢を起こさない人もいますが、今回の海斗さんはおそらくこの「ゆすぐ、流す際の水道水利用」が引き金に......。加えて、歯ブラシの洗浄が不十分だと雑菌が繁殖し、ますますリスクが上がってしまいます。
旅行者下痢症は、多くが細菌やウイルスが原因で起こります。感染すると発症するまで12~72時間程度かかるので、海斗さんはたまたま旅行中に症状が出なかっただけかもしれません。
重症度は人それぞれ異なります。通常は何もしなくても3~5日程度で治ることが多いです。発熱などを伴う場合もあるので、あまりにも辛い場合は病院受診をしましょう。
もうひとつの選択肢「薄着で帰国」ですが、1月~2月ごろの日本とインドの寒暖差は約15度なので、インドの気温に合わせた服装のまま帰国するとかなり寒いです。寒暖差が大きいと、自律神経の乱れや冷えなどの要因で急性の体調不良を起こす可能性もあります。しかし、その症状が2日以上続くことは考えづらいでしょう。