流行はまだまだ続く
とはいっても、感染が再拡大するたびに、多くの人は心配になる。日本ではこれまでの9波にわたる流行で約10万人が亡くなったと推計されている。「5類」移行後の「第9波」でも、1万人以上が亡くなった模様だ。
感染症に詳しい濱田篤郎・東京医科大学病院渡航者医療センター特任教授は、新型コロナウイルスについて24年1月15日のNHKの番組で、
「免疫がついたかと思うと、その免疫をかいくぐる新しい変異ウイルスの派生型が出てきている状況で、流行はまだまだ年単位で続くと考えたほうがいいと思う。新型コロナは、インフルエンザと同じように次の冬に流行する株をある程度予測して、秋にワクチンを接種していく状況になると考えられる。第2のインフルエンザのような存在として、地球上に残るのではないか」
と話している。
長年、牛の感染症として恐れられた「牛疫」について、歴史的・国際的視野で研究した『牛疫』(アマンダ・ケイ・マクヴェティ著、みすず書房)などによると、今のところ人類が根絶に成功した感染症は、牛疫と天然痘だけだという。新型コロナとの闘いは、まだまだ続くことになりそうだ。