京セラ(京都市)は、高耐久の3Dモデルを使用し、入庫作業、出庫作業などの倉庫業務を体験できるワールド「Kyocera Mobile World」を制作。メタバースプラットフォーム「VRChat」上に、2024年1月19日に公開した。
VR記者カスマルも、倉庫業務に挑戦すべく「Kyocera Mobile World」へ。ワールドの一部を実際に体験した。
機械を追いかけていたら、「バタン」
VRのワールドに入ると、まずエントランスに到着。同社が新発売するスマートフォンの実物大の3Dモデルが、2台飾られていた。
ここで作業をするのかと思いきや、京セラスタッフの案内で倉庫にワープ。人が50人以上は入れそうな広い空間に、数えきれないほどの棚と、そこにぎっしり積まれた段ボール。これは出庫しがいがありそうだ!
よし、と拳を固めた瞬間、気づいた。見慣れた手じゃない......。カスマルはいつの間にか、恐竜の姿になっていた! 緑の体とつぶらな瞳、大きな黄色のくちばしがとてもかわいい。周囲を見渡すと、宇宙船に乗ったウサギや、眼鏡をしたネコなど、様々な動物がいる。どうやら倉庫に入ると、用意されているいくつかのアバターに自動でチェンジするようだ。
かわいい恐竜アバターに癒やされていると、京セラスタッフから「入口に集合してくださいー!」とアナウンスが。指示通り入口付近に向かうと、机の上に段ボールが積みあがっている。
京セラスタッフ「近くにあるスマートフォンを使い、入庫作業をしてください」
入庫とは、「倉庫に届いた商品や荷物を受け取る」ことだ。
カスマルのすぐ近くに現れていたスマホを手に取り、机の上の段ボールのバーコードを読み取って、スマホに表示された棚番号の棚に段ボールをしまっていく。右手にスマホを持ちながら、左手で段ボールを運ぶイメージだ。
スマホに番号がわかりやすく表示されるうえ、床にも大きく番号がふられているので入庫先に迷わず、作業がスムーズに進んだ。4人がかりで、8個以上あった段ボールを10分ほどで運び終えた。
次は、商品や荷物を倉庫内から外に出す「出庫」作業だ。京セラスタッフの掛け声とともに、机の上に、また段ボールが積みあがった。京セラスタッフがそれらにラベルシールを貼ると、天井から機械が現れ、段ボールを、入口に現れたトラックヘ運んでいく。
荷物がトラックに積み込まれていく様子を、近くで見てみたい! 段ボールを運ぶ機械を追いかけていると――
「カスマルさぁーーん!!」
背後からカスマルを呼ぶ叫び声、そして「バタン」という音。機械を追うのに夢中になりすぎて、荷物と一緒にトラックに乗ってしまっていたらしい。追いかけてきてくれた京セラスタッフも一緒に、トラックの中に閉じ込められてしまった。すみません、巻き込んでしまい......。
京セラスタッフ「見事に中に入ってしまいましたね。外に出られないので、そのままワールドから出ましょう」
カスマル、記者人生初の倉庫業務が「自らの出庫」により、幕を閉じた。VRワールドならではの、ここでしか味わえない体験だ。
「SIMフリーモデル」と「Wi-Fiモデル」の出荷も
今回、カスマルがVRワールド内で使用したスマホは、京セラが「DuraForce EX」という名前で、24年1月29日に発売する。落下や衝撃に強い耐久性を持っているという。
また、ダイレクトボタンやバーコード読み取り機能も搭載しており、業務の効率化を推進している。2月16日には、「SIMフリーモデル」と「Wi-Fiモデル」も出荷予定。
同スマホには、物流業界における高耐久スマホの活用方法や、ソリューションを体験できる展示会「スマート物流EXPO」でお目にかかれる。会場は東京ビッグサイト、2024年1月26日までの出展だ。