新型コロナウイルスとの闘いが5年目に入った。感染して亡くなった人は、これまでに国内で約10万人になるとみられている。2024年1月現在も、コロナが終息する見通しは示されておらず、新たな変異株による感染拡大が続いている。
正確な人数は5か月遅れ
新型コロナウイルスは2019年12月ごろ、中国・武漢で見つかり、あっという間に世界各地に拡散、まん延した。国立感染症研究所によると、日本では2020年1月15日、初の感染者が判明した。1月3日に、武漢に滞在していた人だった。日経新聞によると、2月13日には、最初の死者が神奈川県内で出た。海外渡航歴のない80代の女性だった。
当初は、新型コロナの感染法上の位置づけが、結核などと同じ「2類」相当で、感染者数や死者数は毎日公表されていた。しかし、23年5月、感染症法上の扱いが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に変わり、感染状況は週一回、全国約5000か所の定点医療機関からの報告をもとにした定点把握に変わった。
死者数も、市区町村に提出された死亡届と死亡診断書の情報を、都道府県経由で収集して公表する方式に変わった。このため、死者数の把握・公表は、実態と約2か月のタイムラグが生じている。さらに正確な人数としては、約5か月後れで、「人口動態統計」の数字が公表されている。
第8波では2万数千人が...
NHKによると、「人口動態統計」による新型コロナウイルスの死者は、23年8月までに累計で9万5830人。同年9月以降に市区町村に提出された死亡届と死亡診断書の人数をもとに推計すると、現段階では約10万人になっているとみられている。
コロナの流行状況については、感染者が増えた時期を「波」と呼ぶ。昨年夏までに、国内では9回の「波」が報じられている。特に死者が多かったのは、22年12月から2月ごろにかけての第8波。この時は全国で2万数千人が亡くなったとみられている。昨年夏の第9波でも、1万人以上が亡くなった模様だ。
その後、コロナの感染者数は、10月にはいったん激減したが、11月後半から再び全国的に増え始めている。