「能登半島地震」半年前に指摘されていた危うさ 地元テレビで識者が注意喚起した内容

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「予知」や「警告」は難しいのか

   石川県内ではどんなニュースが流れていたのか。YouTubeを検索すると、石川テレビが2023年6月12日に放送した番組「石川さんnewsイット!」の内容をアップロードした動画が見つかった。

   「石川・奥能登群発地震の原因は"東京ドーム約23杯分"の流体と判明 震源は海側に移動」と題するこの動画によると、ここ数年の群発地震は「珠洲市の地下16キロに上昇してきた東京ドーム約23杯分の流体が原因で起こっている」と金沢大学などの合同研究グループが発表したとしている。

   番組では金沢大学の平松良浩教授が、次のような説明をしている。

「(能登半島沖の)海底活断層全体が動くと、マグニチュード7クラスの地震が起こる可能性がありまして、そうすると震度6強以上の、さらに強い揺れになるということも考えられるんです。そういう点では、まだしばらくはより大きな地震、あるいは強い揺れというものにも、やはり一定の注意は必要だと考えています」

   Tさんの母が見た番組がこれかどうかは確認できなかったが、「これからもっと大きな地震が来るかもしれないと言われていたよ」という言葉とは一致する。

   しかし地震学者がここまで可能性を指摘しながら、なぜ「予知」や「警告」にはつながらなかったのだろうか。Tさんは、マスコミが危機感をもって強めに報じて欲しいと希望しつつ、実際には難しいのかもしれないという。

「一定の注意は必要、なんて言われたって、誰も備えなんてしないと思いますけど、だからといって『いつ、どんな大きさの地震が来る』までは言えないんでしょうね。帰省や旅行の取りやめ、他の地域への移住を呼びかけるとしても、国や自治体が補償を求められかねないですし。やっぱり自分で情報収集し、自己責任で判断するしかないのかも」
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