文教予算は減り続けた
日本の大学の授業料は、この50年余りで暴騰した。国立大の場合、1970年ごろは年間1万2000円だったが、今や50倍近くに跳ね上がった。
経済評論家の加谷珪一さんの著書『貧乏国ニッポン――ますます転落する国でどう生きるか』(幻冬舎新書)によると、教育に対する公的支出のGDP比率は、日本は主要43国の中で40位。日本の大学における学生1人当たりの教育費は米国の3分の2にとどまる。一般会計における文教費の割合は、1960年代は12%近くあったが、近年は4%近くに低下しているとのことだ。
先進国では、大学の授業料が格安の国も多い。ベネッセの「海外大学進学情報」によると、欧州では、「ノーベル賞受賞者を数多く輩出するようなレベルの高い教育を行っている大学でも、実は学費が無料、または安価」というところが多いという。
ドイツでは「公立大学の学士課程・修士課程は、EU圏内・圏外などの国籍に関わらず、一部の例外を除き原則としてすべての授業料が無料」。ノルウェーも、公立大学の授業料は、学習・研究レベルや国籍に関係なく、すべての学生が無料だという。