「どんなふうに呼ばれても構わない」
内外の有力政治家は昔から、さまざまなニックネームやあだ名が付けられてきた。19世紀に統一ドイツを樹立したビスマルクは「鉄血宰相」。20世紀の英首相チャーチルは「ブルドッグ」、サッチャーは「鉄の女」。
日本の首相でも、吉田茂は「ワンマン」、岸信介は「昭和の妖怪」、田中角栄は「今太閤」「コンピューター付きブルドーザー」、そして首相を辞してからは「闇将軍」。中曽根康弘は「風見鶏」などと称された。
ネット時代になって、一段と辛辣なものが目立つようになっている。「宇宙人」「ポッポ」「ルーピー」などと揶揄されていた鳩山由紀夫氏は、早期に首相退陣を迫られた。自民党の選挙対策委員長を務める小渕優子氏は、過去の不祥事に関連して「ドリル優子」と呼ばれることがある。
官房長官更迭の松野博一氏は「アルマジロ」。危険が迫ると、アルマジロは丸まって堅い殻で身を守るからだという。もともと、官邸内でそう呼ばれていたというが、裏金疑惑問題の記者会見で、「お答えを差し控える」を連発したことで、ネットや週刊誌などでも使われるようになった。
日経新聞によると、岸田首相自身は11月2日の記者会見で、SNSなどで「増税メガネ」と呼ばれていることへの感想を問われ、「様々な呼ばれ方をされていることは承知をしている」「どんなふうに呼ばれても構わない」と答え、「やるべきだと自分が信じることを決断し実行していく」と強調していた。