駆除が難しい
トコジラミはすでに日本でも増えている。東京都の2005年度の相談件数は26件に過ぎなかったが、10年度ごろから増加。最近は300~400件になっている。
仏や韓国での騒ぎを受ける形で、国内でも、改めてウェブサイトでトコジラミの特性や、対応策を告知する自治体が目立っている。東京都練馬区は12月1日、サイトで「トコジラミ対策について(予防と家庭での駆除)」をまとめている。
・メスは、1日に5~6個(生涯では、200~500個)の卵を産む。飢えにも強いため、家の中に広がると駆除が難しくなる。
・生息している場所には、血糞(けっぷん)という黒いしみが多く見られる。
・市販の殺虫剤で最も一般的なピレスロイド系殺虫剤は、トコジラミに効かないことがある。有効成分がプロポクスルまたはメトキサジアゾンの殺虫剤は効果がある。
ほかにも川崎市は11月2日、京都市は11月27日、大阪市は12月4日、「トコジラミについて」という啓発情報を掲載、市民に注意を呼び掛けている。
トコジラミの完全駆除は、家庭ではかなり難しいとされている。東京新聞の取材に、ダスキンは、繁殖状況や部屋数などにもよるが、駆除の費用は平均12万~13万円と答えている。