「THE FINAL」は、一歩前進でもある
「Sansan名刺納め祭」は、15年に築地本願寺で初開催後、16年には実施がなかったが、17年から神田明神に開催場所を移して以来、毎年実施している(20年はコロナ禍のためオンライン開催)という。
8回目にして「THE FINAL」を迎えた背景には、「Eight」が、23年9月にタッチ名刺交換の提供を開始し、紙の名刺をなくしデジタル名刺をスタンダードにしていくことを発表したことがある。これに伴い、名刺をはじめとした紙書類のデジタル化が進むことを願い、紙の名刺を納める機会はこれで最後にしよう、という意思のもと本イベントを企画した。
数年にわたり、「Sansan名刺納め祭」を通じてSansanと関係を築いてきた、神職の岸川雅範氏を取材した。「THE FINAL」となったことは「さびしい」としつつも、それ以上に「一歩前進」、「良ききっかけとも捉えている」と話す。Sansanがデジタル名刺のスタンダード化を推進しているのを踏まえ、「紙の名刺納め」に区切りをつけることが、取り組みの後押しになるのでは、という思いがあるようだ。
コロナ禍で、あらゆる方面でのデジタル化が進んでいる。これまでは「遠方だから」と諦めていた人ともオンラインで会いやすくなった。ただ岸川氏は「人と人とが対面で交流すること」の重要性に言及し、何についても都度、リアルとデジタルの相応しい方を選んで使い分けていくのが望ましいのではないか、と語った。