自由奔放な雑誌連載
あらゆる雑誌を探索してみて、今更ながら世にはいろんなニーズがあるものだと思いました。総合誌から趣味、実用まで、出口の見えぬ出版不況の下でなお多彩な雑誌が生き延び、読者と独自のコミュニティーを作っています。雑学には自信があったのですが、知らない世界ばかり。こんなに女性誌を読んだのは 67年の人生で初めての経験でした。
各界の筆者が自分流で競う雑誌連載は、私のように「新聞の流儀」で育った者からすると自由奔放、なんでもありです。文字表現ひとつでも「時」があれば「とき」もある。「事」「訳」「今」なども然り。段落の切り方、読点の打ち方も人それぞれで、つい「新聞的」に直したくなる誘惑に駆られました。もちろん、文章表現に絶対的な「正解」はありません。これから生成AIが普及するにつれ、むしろクセのある文体の価値が上がるかもしれません。回を重ねながら考えさせられることは多く、いろいろ勉強になりました。
各回に添えた写真のうち、私が撮影したものが100以上あります。締め切りを守り通せたことと合わせ、ささやかな自画自賛として書き留めます。
最後になりましたが、9月末までトレンド編集長だった荻仁さん、後任編集長の藤原綾香さんに改めてお礼申し上げます。引き続きご健闘ください。
冨永 格