二人対戦型カードゲーム「ガンナガン」(販売元:keepdry)をVRで体験できるワールド「VRガンナガン」が、メタバースプラットフォーム「VRChat」に2023年10月10日に登場した。
「ガンナガン」は、プレイヤー同士が2つの山札からカードを引き、戦うゲーム。「VRガンナガン」ではゲーム中、「相手に銃を撃つ」ギミックを楽しめる。オープン日から、これまでに訪れたユーザー数は2万4000人(2023年11月9日時点)にのぼるという。VR記者カスマルは、勝負相手を求めてワールドに乗り込んだ。
銃は相手に撃ち、注射器は自分に打つ
「VRガンナガン」にアクセスすると、同ワールドを公開した一般社団法人REARVの代表理事・酒井宏聡さんが、笑顔で手を振りながら迎えてくれた。VR空間では「とむこ」という名前で活動している。
ワールドに入ってすぐの小部屋には、ルール説明が流れるモニターがある。このゲームは「銃士1人、拳銃2丁、技能1つ」を選び、射撃によって技能を発動し、相手のライフを0にすると勝ちだ。
勝利パターンは他にも。ゲーム中はデッキを2個セットして戦うので、相手が持つデッキのいずれかを0枚にする、すなわち「デッキ切れ」に追い込めばいい。
テーブルに置いてある拳銃は「技能」として使用でき、撃って相手にダメージを与えられる。回復アイテムの注射器は自分に打つと、回復できる。
小部屋の奥から行ける部屋に、ゲームをプレイできるブースがある。ワールド内にあるカードやパッケージの表面には細かな凸凹が入っており、リアリティを感じさせる。
また、カードは拡大して見られるうえ、小物は全て動かせるように作っているという。VR空間では空中にも物が置けるが、「VRガンナガン」ではカードがテーブルに吸い付くようになっている。現実のカードゲームさながらに、「手札を場に出している」感覚だ。
「失礼します」と一言、発砲
とむこさんとテーブルを挟んで座り、ゲームスタート!
まず、サイコロを振ってスタートプレイヤーを決め、銃を2丁決める。
プレイヤーは、4種類のキャラクター(ヒバナ、キルコ、ラン、ナトリ)から選べる。各キャラには特殊能力が備わっており、「素早さ」の値によってどちらのプレイヤーが先行かが決まり、引ける手札の枚数もそれぞれ異なる。記者の場合はナトリを選び、手札を5枚引いた。
いざバトル開始。拳銃にカードを装填し(カードを伏せて置く)攻撃。伏せるカード枚数や特殊効果は拳銃によって異なる。
カスマル「申し訳ございませんが、失礼します」(拳銃を撃つ)
とむこさん「うわあああ」
握っているVRコントローラーのトリガーを人差し指で引くと、「バーン!」。音を立て、手元の拳銃が白い煙を立ち上らせる。もちろん、撃たれても痛みはないのでご安心を。
記者は初めて「ガンナガン」で遊んだため、どのカードを使うべきか迷うことが多かったが、とむこさんが優しく教えてくれ......なんと、とむこさんに勝ってしまった!
カスマル「も、もしかして手加減してくださいましたか......?」
とむこさん「いえいえ、そんなことはないですよ!」
どうやら本気で戦ってくれた、らしい。ビギナーズラック!
ゲーム終了後、テーブルの状態はスタート時に自然と戻る。カードを集めて片付ける必要がなく、またすぐに遊べるのもVRならではの魅力だ。
ガンナガンのためにVRヘッドセットを購入した人も
とむこさんに「VRガンナガン」について、詳しく話を聞いた。同ワールドでは、無料で誰でもゲームプレイできる。収益はあるのか。
「非営利団体のため、営利目的ではありません。原作者のプロモーションになるために動いています」(とむこさん)
今後は、原作者の依頼を受け、クラウドファンディングを行って拡張パックの追加などをワールド内で行っていくそうだ。
現在は、VRChatユーザーの口コミや、Xで情報を見て来場した、という人がほとんど。ただ中には、「VRガンナガン」で遊ぶためにVRヘッドセットを購入したボードゲーム好きの人もいたと言う。
「VRガンナガン」は、ワンプレイにかかる時間が15分。サクサク遊べる。また、「VRガンナガン」は手元の動作のみ見ていられるので、視線を激しく動かさずに済み、酔いにくいことがユーザーから人気だと、とむこさんは明かした。