「メタバース」が一般化する未来
かつて「メタバース」に向けられていた厳しい視線を踏まえ、いとよさんもVRChatやclusterをまとめて指すときに「VRSNS」と表現していた。しかし23年11月現在は、概ね「メタバース」を用いている。両サービスとも、VR機器を使わずに遊んでいる人が大勢いるためだ。どちらもデスクトップPCだけでプレイ可能で、clusterはスマートフォンにも基本的に対応している。
こうした背景から、「『VRSNS』、『ソーシャルVR』という言葉を使うと、非VR民を疎外しかねないと感じた」と感じたという。
23年10月からは、VRChatが試験的にスマートフォンに対応開始している。今後さらにVR機材を用いないユーザーが増えていくと、「メタバース」というワードは一般化し、ひいては表現として「適切」とみなされる時代がくるのではないか。いとよさんは、このように見立てている。
後編では、仮想空間で活躍するクリエイターが所属する「メタバースクリエイターズ」(東京都渋谷区)に取材。なぜ「メタバース」がネガティブな見方をされるようになったのか、そして「メタバース」を社名に掲げる意味は何か。