熱がこもらないように
先述通り、良質な睡眠には深部体温のコントロールが重要だ。秋や冬における睡眠の質について廣田氏に注意点を質問した。
まず快適な睡眠環境として、「室温は夏は約25度前後、冬は19度前後、寝床内(寝具と体の間)の温度は約33度±1度が適切」と語る。寒い季節だと、こうした温度調節は難しくなる。
さらに、秋冬は暖房や電気毛布など、温度調節の選択肢が多い。「(寝具や温度調整手段において)適切なものを見つけていくのが重要」と廣田氏。たとえば電気毛布であまり体を温めると、体が熱を抱えすぎてしまい、夜間に「中途覚醒」することもあり得る。
また枕においては、ウレタン素材やフェザーを使ったものでは熱がこもりやすくなるという。他方で、「ブレインスリープ ピローは、(体積のうち)90%以上が空気層でできていて、放熱が容易。こうした枕を使っていただくのをおすすめします」と話す。
良質な睡眠を得るには、入浴もキーになる。「40~41度のお湯に漬かるのが大事。睡眠の約90分前には入ることをおすすめしています」と廣田氏。入浴により体温が上がると、体が放熱を始めるという。この過程で深部体温が皮膚温度に近づくと、眠気が増していく。「そのタイミングでしっかり眠れると、そのまま深い睡眠に導いてくれる」とのことだ。